2009 Fiscal Year Annual Research Report
Ataxia-telangiectasiaファミリーによるミトコンドリアDNAの維持機構
Project/Area Number |
09J06064
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森 ちひろ Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Ataxia telangiectasia / ミトコンドリア / 活性酸素 / ミトコンドリアDNA / 細胞内局在 |
Research Abstract |
線虫において、atl(-/-)では、ミトコンドリアDNAのコピー数の低下に加えて、活性酸素種が増加している可能性を示した。atl(-/-)では、活性酸素種の発生の指標となる5種類のスーパーオキシドジスムターゼ(sod-1~5)のうち、3種類の発現が特異的に上昇していた。現在、ミトコンドリアDNAの酸化損傷の解析を進めている。 ヒト培養細胞において、hATRは通常状態においてもミトコンドリアに局在していることを明らかにし、さらにストレスによる局在の変化の解析を行った。その結果、ミトコンドリアから活性酸素を発生させる試薬を添加することによって、hATRがさらにミトコンドリアへ移行することを明らかにした。さらに、hATRがミトコンドリアDNAの複製に関与するタンパク質Xと相互作用することを明らかにした。加えて、タンパク質Xが通常状態の細胞で一部リン酸化されていることを明らかにした。 hATRの機能を解析する目的で、全長hATRに何種類かのタグをつないだプラスミドの作製を行った。それらのプラスミドを用いてhATRをU20S細胞とHeLa細胞に過剰発現させたところ、細胞質においてもhATRが重要な役割を担っていることを明らかにした。そこで現在、hATRの複数の欠損変異体を作製し、hATRと結合する全タンパク質の同定と、その結合に必要な部位の決定を進めている。
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