2009 Fiscal Year Annual Research Report
微細形態学的アプローチによる分裂期スピンドル構築メカニズムの解析
Project/Area Number |
09J06795
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上原 とも子 Nagoya University, 高等研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 分裂期スピンドル / オーグミン / γチューブリン / RNAi / Functional & Correlative Microscopy / 電子顕微鏡 / ショウジョウバエS2細胞 / ヒト骨肉腫由来U2OS細胞 |
Research Abstract |
本年度は、RNAiによる機能解析と、蛍光顕微鏡および電子顕微鏡観察を完全に対応させた方法Functionl & Correlative Microscopyを確立した。実験にはGHP-チューブリン/H2B(ヒストン)-mCherry発現した、ショウジョウバエS2細胞を用い、Cnn RNAi(コントロール)とCnn/Dgt5(オーグミン)RNAi細胞を比較した。これらの細胞を氷上で2時間処理することによって微小管を脱重合させた後、室温に戻し、微小管の回復を経時的に観察した。回復0分では、コントロールおよびオーグミンRNAi細胞のいずれにおいても、微小管が完全に脱重合していた。また、蛍光抗体法による解析から、γチューブリンの局在も消失していた。その5~8分後では、蛍光顕微鏡レベルでの微小管の回復は同様であったが、異なる微細構造が見られた。コントロール細胞では、微小管束が染色体からスピンドルの極方向に伸長していた。これに対し、オーグミンRNAi細胞ではコントロールよりも緩い微小管束がまばらに観察された。この時、γチューブリンはコントロール細胞の微小管束には局在していたが、オーグミンRNAi細胞では観察されなかった。この結果から、オーグミンは氷温処理からの回復初期から、スピンドル微小管の生成に関与する可能性が推察された。 次に、サファイアディスク上に培養したヒト骨肉腫由来細胞U2OSの加圧凍結置換固定法を確立した。その試料はスピンドルの微細構造がよく保存されており、今後の各種解析に使えるクオリティであることが分かった。現在、三次元トモグラフィー法および免疫電顕法による解析のため、準備を進めているところである。これらの解析によって、スピンドル内部における微小管のマイナス端の存在様式とオーグミンの局在性に関する情報が得られると考えられる。
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Research Products
(2 results)