2009 Fiscal Year Annual Research Report
社会行動の適切性判断の研究: Socio-Logicの数理的・実証的分析
Project/Area Number |
09J06967
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
清水 裕士 Kwansei Gakuin University, 社会学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 社会行為の適切性判断 / 社会規範 / ゲーム理論 / 報酬分配 |
Research Abstract |
本年度は、社会行動に対する適切性判断を人々がどのような基準で行っているかについて分析を行った。まず、社会行動に対して、人々がパレート原理(誰か一人でも資源が損なうことなしに全員の利益を改善できるならば、その状態を選択するべきである、という原理)に基づいて適切性を判断するだろうという仮説を提出した(学術雑誌1)。この論文はゲーム理論と社会システム理論を援用し、人はパレート効率性を損なうような行動を不適切と判断するだろうということを理論的に導いた。 次に、場面想定法を用いた調査により、人々が経済原理、平等原理、パレート原理のどれによって適切性を判断しているかを検討した。場面想定実験による調査では、人々は平等原理よりもパレート原理を好むことが明らかとなった。人々は集団の利益が高まるような基準に基づいて適切性を判断していることが1明らかとなった。 さらに、Web調査を用いて報酬分配状況における適切性判断の基準について検討を行った。その結果、人々はパレート分配よりも衡平分配を適切であると判断することが明らかとなった。これは、報酬分配においてパレート分配が長期的には集団の利益にならない可能性が考えられた。
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Research Products
(7 results)