2009 Fiscal Year Annual Research Report
組込みシステムの柔軟な設計探索と再利用を実現するコンポーネント機構
Project/Area Number |
09J07139
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
柴田 誠也 Nagoya University, 情報科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 組込みシステム / システムレベル設計 / 設計探索 |
Research Abstract |
【研究目的】本研究では、組込みシステムの設計を容易化するためのコンポーネント機構を開発する。提案コンポーネント技術を用いることで、設計者は開発対象アプリケーションを、ソフトウェアかハードウェアかを意識することなく、複数のコンポーネントの集合として記述することができる。記述後、ツールの支援により、設計者はアプリケーションのソフトウェア/ハードウェア分割およびマルチプロセッサ分割の探索を容易に行うことができる。分割の探索時には、コンポーネントの実装先にあわせてコンポーネントの結合や複製をツールが支援し、動作合成技術やコンパイラなどによる最適化効果を最大化する実装の探索を可能にする。 【2009年度の成果】2009年度は、コンポーネント機構のベースとなる技術の拡張および予備実験を行い、発表した。具体的には以下のとおりである。 1.ソフトウェア/ハードウェア分割を探索するためのツールであるSystemBuilderを拡張し、マルチプロセッサ分割の探索を可能にした。これにより複数プロセッサおよび複数HWモジュールから成るシステムの探索が可能となった。 2.コンポーネント群の並列動作を把握するためのプロファイラを開発し発表した。プロファイラは、今後2年間に開発するコンポーネント機構における、結合や複製の効果を視覚的に確認し評価するための基盤技術として用いる。 3.評価実験に用いるシステムとしてMPEG4デコーダシステムを設計し、事例論文として発表した。本成果は、今後開発するコンポーネント機構を適用し効果を確認するための実験対象として使用する。 4.組込みソフトウェア向けコンポーネント機構であるTECSを利用したソフトウェア開発事例を行い、発表した。TECSとSystemBuilderの機能を組み合わせることで、本研究が求めるコンポーネント機構を開発できると考えている。
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