2009 Fiscal Year Annual Research Report
米国モダニズム文学におけるエヴァンジェリカリズムの表象―世俗性と超越性の間―
Project/Area Number |
09J09918
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 久美子 The University of Tokyo, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | アメリカ文学 / 宗教 / モダニズム文学 / F・スコット・フィッツジェラルド / 『グレート・ギャツビー』 |
Research Abstract |
採用第一年度の本年は、ミシガン大学に提出予定の博士論文の第3章に当たるF・スコット・フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』論のための文献調査および執筆を重点的に行った。国内外の大学図書館(東京大学、ミシガン大学、ニューヨーク州立大学)から単行本未収録のフィッツジェラルドの諸短編を取り寄せて、これまであまり注目されてこなかったフィッツジェラルドの宗教的側面を研究した。また、本年10月に秋田大学において開催された第48回日本アメリカ文学会全国大会に出席し、「フィッツジェラルドと空間の比喩」といった日本では先進的なフィッツジェラルド研究に触れる機会を得た。本年は、博士論文執筆に集中したため、とくに口頭および論文発表などは行っていない。本年の研究成果としてのフィッツジェラルド論は、2010年5月に博士論文の主査であるSara Blair教授から博論の一章をなすものとして正式に認可を受ける予定である。また、本論は日本アメリカ文学会の機関誌である『アメリカ文学研究』に投稿して評価を仰ぐ所存である。
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