2009 Fiscal Year Annual Research Report
キクBウイルスのウイルスベクター構築とアブラムシ伝搬因子の解明
Project/Area Number |
09J11020
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
大川 篤史 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・連合農学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | キクBウイルス / ウイルスベクター / アブラムシ伝搬因子 / カーラウイルス / キク |
Research Abstract |
キクはわが国で花卉生産額第1位であり、世界でも生産は多いが、キクへの遺伝子導入によるキク遺伝子の機能解明は他の植物種と比べて極めて遅れている。そこで本研究では、キクに潜在感染するカーラウイルス属のキクBウイルス(CVB)の感染性全長cDNAクローンを改変し、キクにおいて外来遺伝子の発現あるいは内在遺伝子の制御ができるウイルスベクターを構築することを第一の目的としている。またウイルスベクター化した際、アブラムシによる遺伝子組み換えウイルスの環境への漏洩を防ぐため、CVBのアブラムシ伝搬因子を解明することを第二の目的としている。本年度はカーラウイルス属に特徴的なP12遺伝子に注目し、その機能の詳細について研究を行った。まずP12遺伝子をカブモザイクウイルスベクターから発現すると、Nicotiana benthamianaでは全身えそが誘導されたが、シュンギク、カブ、キャベツでは誘導されなかった。またGFPで標識したP12タンパク質を一過的に先に挙げた植物で発現したところ、いずれの植物細胞内でも核に局在したことから、全身えそとP12の核局在には関連がなく、全身えそはN.benthamianaでのみ特異的に見られる反応であることを示した(2009年日韓植物病理学会合同シンポジウムで報告)。さらにP12遺伝子はCVBの増殖、全身感染に必須ではないことも明らかにした。新年度は本研究の最終年度であり、CVBウイルスベクターの完成を目指し、CVBのP12遺伝子を変異させたウイルスによるアブラムシ伝搬試験を行ってP12遺伝子とアブラムシ伝搬の関連性を解析する予定である。
|
Research Products
(1 results)