2009 Fiscal Year Annual Research Report
二枚貝類のミトコンドリア両性遺伝における精子mtDNA保持メカニズムの解明
Project/Area Number |
09J40012
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
佐野 菜採 Mie University, 大学院・生物資源学研究科, 特別研究員(RPD)
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Keywords | ムラサキイガイ / ミトコンドリアDNA / Vasaタンパク / リアルタイムPCR / 精母細胞 / 精原細胞 / 精細胞 / 精子 |
Research Abstract |
ムラサキイガイのミトコンドリアの両性遺伝において精子ミトコンドリアDNA(mtDNA)が保持されるメカニズムを解明することを目的とし、本年度は(1)生殖細胞を認識するために、生殖細胞に保持されているVasaタンパクに対する抗体を作成した。すなわち、遺伝子配列より合成したムラサキイガイVasaタンパクに対する抗体を外注により作成した。(2)(1)で作成した抗Vasa抗体とDNA量を指標とし、精子、精細胞、精原細胞、精母細胞集団をフローサイトメーターにより分取した。分取した細胞集団から、DNAを抽出して、mtDNA量を核ゲノム(28S rRNA遺伝子)をレファレンスとしたリアルタイムPCRによる相対定量により定量した。その結果、精子、精細胞、精原細胞、精母細胞の順にmtDNAコピー数が多かった。特に、精原細胞から精細胞へ分化する過程での増加が著しかった。よって、ムラサキイガイではほ乳類などとは異なり、精子形成過程でmtDNAコピー数が増加することを示唆された。(3)ムラサキイガイでは生殖細胞分化に父由来のmtDNAが必要であるかを検討するために、生殖巣と閉殻筋でどちら由来のM typeが優占しているかを明らかにすることを目的に、人工交配実験を行った。すなわち、ムラサキイガイの飼育水温を上昇させることにより、産卵、放精を誘発した。これらの卵と精子を1対1交配した。得られた幼生のDNAサンプルについて、今後、SNPの量の比較をTaqmanプローブを用いたPCR法により解析する予定である。
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Research Products
(2 results)