2009 Fiscal Year Annual Research Report
一過性のミトコンドリア機能低下による新規膵β細胞分化誘導法及び再生誘導法の開発
Project/Area Number |
09J55472
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
矢野 脩一朗 Kumamoto University, 大学院・薬学教育部, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ミトコンドリア / 膵β細胞 / 多能性幹細胞 / 分化誘導 / 再生誘導 |
Research Abstract |
膵β細胞を含めた内胚葉分化誘導研究は他の胚葉分化誘導研究に比べ,分化誘導効率等の点で遅れている現状にある.したがって,これまでに多くの検討がなされている液性因子による分化誘導刺激ではなく,物理的刺激を用いる事で新たなブレークスルーを提起できるのではないかと考えた.これまでの報告から,ミトコンドリア膜電位の低いES細胞サブクラスにおいて,中胚葉への効率的な分化誘導及び奇形腫形成が抑制されるという報告がなされている.そこで検討1として,本研究の核となるミトコンドリア及びES細胞から膵細胞への分化における関連性について検討を行った.次に検討2では,微弱パルス電流と温熱併用刺激による膵前駆細胞(Pdx-1+cell)への分化促進作用をより詳細に検討した.また検討3では,膵前駆細胞への分化促進作用が報告されているactivin及びbFGF共刺激に微弱パルス電流と温熱併用刺激を組み合わせ,検討を行った. 検討の結果,第一に,処置タイミングの最適化の観点から,微弱パルス電流と温熱併用刺激によるミトコンドリアの数及び構造的発達に依存した膵前駆細胞への分化促進作用が示唆し,第二に,作用機序について,微弱パルス電流と温熱併用刺激による膵前駆細胞への分化促進作用は,内胚葉から膵前駆細胞への分化促進効果によることを明らかにし,第三に,分化誘導の最適化の観点から,従来の液性因子を用いた分化誘導法と組み合わせることにより効果的な分化誘導法を提起できることを示している.
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Research Products
(1 results)