1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10460016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
市橋 秀樹 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (40127048)
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Keywords | 街路植栽 / 運転者 / 歩行者 / PM法 |
Research Abstract |
街路植栽が運転者および歩行者に及ぼす心理的効果を明らかにする1つの方法に、様々な景観写真を被験者にみせて、どのような印象を受けるか尋ねる方法がある。 景観から受ける印象を評価する方法にSD法があるが、この方法は被験者には絶対的な価値規準が必要であり、調べようとするサンプル数だけ被験者にその判断を求めることになるので、質問数やサンプル数が多いと得られるデータの信憑性が乏しくなる。一方、1対比較法は、提示された1対のサンプルについての相対的な価値判断を被験者に求められるだけであり、誰でも容易に回答できるが、従来の分析法では総当たりの対比較が必要なので、サンプル数が多いと対比較数が極めて多くなる。したがって、1対比較法はサンプル数の少ない場合(10以下)に用いられてきた。1対比較のこの欠点を解消した、総当たりの対比較を必要としない新たな分析法(PM法)を考案したので、この方法を用いて、神戸市および京都市で撮影した36の歩道景観写真について神戸と和歌山の大学生を対象に歩行者の立場からの印象評価を12月に試みた。その結果、歩きたいと思う歩道は、美しく、安らぎの感じられる歩道であること、緑視率と歩きたさとの間には1%水準で有意な正の相関が認められたが、緑視率が高くても円柱形の高木植栽が歩道の片側にある場合には歩きたいと感じさせないこと、さらに歩きたい歩道を創出するためには、歩道の両側に盃状形の高木や低木を配置し、歩道面は灰色または茶色のタイル地とすればよいことが明らかになった。また、男子学生と女子学生との間で、歩きたい歩道の評価が異ならず、今後は調査対象として性にこだわらなくてもよいことも明らかになった。
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