1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10557159
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高田 隆 広島大学, 歯学部, 助教授 (10154783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二階 宏昌 広島大学, 歯学部, 教授 (60028735)
宮内 睦美 広島大学, 歯学部, 助手 (50169265)
小川 郁子 広島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (70136092)
松田 尚樹 長崎大学, アイソトープセンター, 助教授 (00304973)
渡邊 正己 長崎大学, 薬学部, 教授 (20111768)
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Keywords | 人工歯根 / 歯根膜 / 細胞移植 / 人工材料 / 再生医工学 / ハイドロキシアパタイト |
Research Abstract |
天然歯と同様の歯根膜支持を有する歯科インプラントシステムの開発を目的として,本年度はこれまでの検討で,歯根膜由来細胞移植のための坦体として最も有用と考えられた膜状のコラーゲン膜を中心に,坦体と培養歯根膜細胞の複合法,同歯根膜由来細胞複合体とハイドロキシアパタイトインプラント体の複合法,ならびにイヌの顎骨への同複合体移植法について検討した.その結果, 1.コラーゲン膜上では培養歯根膜細胞播種後,2-3日目に盛んな細胞増殖がみられたので,移植3日前に坦体・歯根膜細胞複合体の調整を開始するのが適当である. 2.コラーゲン膜に可及的に多くの細胞を複合するための細胞濃度として,35mm径培養プレートの底面においたコラーゲン膜に1×10^6cell/ml濃度の細胞けん濁液を添加する方法が適当である. 3.坦体・歯根膜細胞複合体とインプラント体の複合には,バイクリル製縫合糸(5・0)による結糺が適切である. 4.インプラント体の大きさはイヌの顎骨の幅径ならびに下歯槽管までの距離とともに,インプラント窩形成に用いる切削器具の規格にきていされる.本年度において行った予備実験では既成ドリルにあわせ,直径2.8mm,長さ10mmのインプラント体を試作し実験に用いたが,実際に植立すると顎骨の大きさにくらべて過大で,よりサイズの小さいインプラント体調整の必要性があきらかにされた. 5.移植後2-3ヶ月目に組織学的試料を作成したが,インプラント体が大きすぎたため,植立部の骨が広範囲に吸収され,植立したインプラント・歯根膜由来細胞複合体の多くが観察期間中に脱落した.残存した試料についても,その周囲に明らかな歯根膜新生はみられなかった. 以上の予備的実験の結果をもとに,平成12年度には人工歯根・歯根膜由来細胞複合系移植法の改良を行い,歯根膜支持を有する歯科インプラントシステムの開発の可能性を明らかにしたい.
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Research Products
(2 results)