1999 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト正常口腔粘膜上皮角化細胞を用いた前癌病変および多段階発癌モデルの確立
Project/Area Number |
10557186
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
酒井 英紀 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (60292976)
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Keywords | ヒト口腔粘膜由来初代培養細胞 / 変異型p53癌抑制遺伝子 / H-ras / SV40 large T / TERT |
Research Abstract |
今年度、今回の課題に使用する目的でヒト口腔粘膜由来初代培養細胞を容易に管理するシステムを安定化させた。本研究の目的は正常口腔粘膜角化細胞と、変異型p53癌抑制遺伝子を、意図的に発現させた口腔粘膜角化細胞それぞれが発現しているmRNAを比較し、p53変異によって誘導される遺伝子を解明することを土台とした。平成11年度の検索から、アデノウイルスによる一過性の導入では、一過性の発現は可能であるものの、細胞をtransformし、その形質を維持するとともに、誘導される遺伝子を検索することは、私が研究代表者を引き継いだ上田が予想したよりも困難であることが明らかとなった。今年度は、遺伝子導入の方法を修正する予定である。1999年ワインバーグらは、H-ras,simian virus40 largeT癌遺伝子とテロメラーゼの触媒タンパク質をコードするTERT遺伝子の導入によってヒト正常上皮細胞を癌化することを報告した。今年度は、この方法を用いて口腔角化細胞を癌化することを試みるとともに、これらに加えて変異p53を導入し、本研究の目的であるp53変異によって誘導される遺伝子の解析を行いたい。
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