1999 Fiscal Year Annual Research Report
北海道と北九州におけるアジア太平洋戦争下の朝鮮人強制連行・強制労働の総合的研究
Project/Area Number |
10610348
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Research Institution | Sasebo National College of Technology |
Principal Investigator |
守屋 敬彦 佐世保工業高等専門学校, 教授 (60128874)
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Keywords | 北九州 / 地方新聞 / 市町村史 / 社史 / 朝鮮人強制連行・強制労働 / 企業史料 / 終戦直後の闘争 |
Research Abstract |
本年度の資料調査と収集は、長崎・佐賀・福岡3県を中心に計画していた。しかし、朝鮮人を強制連行し、強制労働させた九州の企業関係資料を所蔵、または公開している機関が少なく、1次資料収集のまとまったことが出来る見通しが立たず、2次資料たる1938年から1946年前半までの地方新聞、及び市町村史、社史等を中心に行った。地方新聞の調査は、「長崎新聞」と「佐賀新聞」を終了した。市町村史は、福岡・佐賀両県の一部、社史は、福岡・長崎両県内の一部を行った。3県内の被強制連行者関係研究成果の収集の補充も行った。本年度収集資料は、約1,500点である。ようやく北九州における朝鮮人強制連行・強制労働の概略を把握できる資料が、以前から収集していた資料とも相まって、整いつつある。しかし、1次資料は、存在自体少なく、北九州の朝鮮人強制連行・強制労働を北海道ほど多面的全体的に解明できる資料が収集出来ていない。 北海道強制連行朝鮮人関係資料は、収集したもの以外でまとまった企業資料が、三笠市立博物館に北海道炭鉱汽船株式会社幌内鉱業所のものがあり、これの調査・収集を同館に申し入れたが、基本的整理が終了しているにもかかわらず、資料未整理を理由に、頑なに公開を退けられ、実行できずじまいである。これは、引き続き公開を請求する。 昨年中までに調査・収集した北海道関係資料の解明・整理・分析を行って来た。その結果、北海道への連行、現場到着後の労働、待遇、労務管理、労働災害、生活状態等の実態が、かなり明らかになり、これが全国的実態の普遍性であるとの見通しがついた。また終戦直後の朝鮮人・中国人の強制連行・強制労働追及の激しい闘争が展開されることになった実態も、夕張・三笠地区中心に解明でき、論文にまとめた。論文名「日本敗戦直後の北海道石狩・空知炭田の被強制連行中国人・朝鮮人の闘争」
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Research Products
(1 results)