1998 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト胃癌細胞株AZ521をもちいたリンパ行性転移機序の解析
Project/Area Number |
10671202
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
傳野 隆一 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (40163943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦 英樹 札幌医科大学, 医学部, 助手 (50264510)
佐藤 卓 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (50205928)
平田 公一 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50136959)
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Keywords | ヒト胃癌細胞株AZ521 / 高肝転移株AZ-H5G / 高リンパ節転移株AZ-L5G |
Research Abstract |
目的:低転移性ヒト胃癌細胞株AZ521を親株とする,同一親株由来の高肝転移株AZ-H5Gと高リンパ節転移株AZ-L5Gをそれぞれ樹立し,それらの比較検討したので報告する。 方法:AZ521の細胞懸濁液5×10^6/0.1mlをヌードマウスの胃壁に接種(同所移植)し,6週間後に開腹して僅かに認められた肝転移巣またはリンパ節転移巣をそれぞれ摘出し単細胞培養を行った。それらを再度接種する操作を繰り返し,高肝転移株AZ-H5Gと高リンパ節転移株AZ-L5Gを樹立した。これらの細胞株を用い,細胞増殖能,運動能の発現性について比較した。 結果:転移形成率;肝転移とリンパ節転移の形成率は,AZ521で15%と25%,AZ-H5Gで87.5%と5.0%,AZ-H5Gで5.0%と85.0%であり,各高転移株はそれぞれ異なる転移形式の選択性を有すると考えられた。増殖能;in vitroにおける細胞増殖率は各細胞株間で差を認めなかったが,in vivoにおいては高転移株が親株より有意に高い増殖能を示した。運動能;Transwel chamberを用いて上室から下室への移動細胞数をカウントしたところ,AZ521に比し,AZ-L5Gは1.5倍,AZ-L5Gでは2倍の細胞移動を認めた。 結論:ヒト胃癌細胞株AZ521をヌードマウスの胃壁に同所移植を行い,肝臓および局所リンパ節に高率に転移する細胞株AZ-H5G,AZ-L5Gを作成することができた。樹立した細胞株について今度検討を進める予定である。
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Research Products
(1 results)