1999 Fiscal Year Annual Research Report
サンゴ礁生物に含まれる生物活性物質の変動に関する研究
Project/Area Number |
10672109
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
田中 淳一 琉球大学, 理学部, 助教授 (20163529)
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Keywords | ソフトコーラル / 海綿 / Sarcophyton / HPLC |
Research Abstract |
昨年に引き続き、まずソフトコーラルと海綿の採集を沖縄県各地で行った。それらをエタノールに漬け冷蔵(冷凍)保存したものの抽出液をgradient HPLC,NMR等で分析し、その成分の変動を調査した。 まず、Sarcophyton属のソフトコーラル類(総サンプル数-70検体)では、抽出液のHPLCパターンを分析した後、それぞれに特徴的に現れる物質について一部を分取TLC等で分離を行い、NMR,MS等によってその化学構造を確認あるいは決定した。その結果、成分だけからでもかなり多くのパターンに分類されることが判明した。次に、Tel Aviv大学のBenayahu教授に骨片等の形態的分類を行ってもらったところ、S.glaucum,S.cinereum,S.trocheliophorum,S.ehrenbergiiなどにそれぞれ分類された。これを先程の成分のパターンと比較検討した結果は、とても同一とは思えないものがある一方、地域が違っていても類似のパターンを示すものなど、様々であることがわかってきた。この違いがどこにあるのか興味深い。また、この成分の調査過程で今までにその種から報告されていないものや、新規センブレン化合物なども見いだした。 一方、海綿の方は多くの種類についてその成分の変動についてNMR,HPLCおよびTLCで検討した。こちらの方は多種類の割には検体数が多くないので、それぞれの種の成分についてまだ明白な傾向を認めるには至っていない。
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