1999 Fiscal Year Annual Research Report
運動前野と前頭前野の冷却による小脳外側核ニューロンの発射活動の変化
Project/Area Number |
10680763
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
陣内 皓之祐 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (80127026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊地知 義親 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (50106829)
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Keywords | 小脳外側核 / 視覚性応答 / 運動前野 / 前頭前野 |
Research Abstract |
サルの前頭前野(PF)と運動前野(PM)の両方の電気刺激に応答を示す単一小脳核ニューロンは、光刺激を手がかりとする認知運動課題において、短潜時の視覚性応答を示す。視覚性応答がどちらの皮質領野からの入力に依存するかを調べるために各皮質領野の冷却による小脳核ニューロン発射活動の変化を観察している。 現在、実験記録中のサルは、11年8月に、刺激電極(大脳皮質、視床)および、大脳皮質冷却槽の取り付け手術を行い、9月より認知運動課題の再訓練、11月より、皮質冷却が同課題の遂行に及ぼす影響を観察した。12年1月中旬よりニューロン活動の記録を開始し、冷却ポンプ、熱電対温度計など計画どおり作動し、ユニット記録に支障がないことが確認された。現在までに8個の小脳核ニューロンについて冷却の効果を観察し得たが、短潜時の視覚性応答を示すニューロンについては、まだその効果を調べられていない。(サルが、2-3時間大きな体動なく課題を遂行することに十分慣れていないので、視覚性応答を示すニューロンが集中している部分の調査はもう少し慣れてから行う予定) なお、研究の主目的からずれるが、前頭前野主溝腹側部(PSv)を17-18℃以下で約15分間冷却すると痙攣発作が高頻度に生ずることが観察された。(現在は20℃以上で観察)大脳皮質から外部への出力は興奮性とされているので、冷却で皮質ニューロン活動を抑えることが痙攣発作を誘発することは意外であり注目すべきことと思われる。
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