2011 Fiscal Year Annual Research Report
ユーザ満足度に基づいた多元トラヒック受付制御方式の研究
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11J08086
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮田 純子 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 受付制御方式 / 品質制御 / ユーザ満足度 / トータル呼損率 / 即時方式 / 待ち行列理論 / 協力的ユーザ / 即時待時混合方式 |
Research Abstract |
定額制通信サービスにおいては,利用帯域の大小にかかわらず,各ユーザの網への収容可否そのものがユーザの満足度に大きく影響を及ぼす.そこで,異なる帯域の通信を対等とみなす新しい考え方に基づいた,網への収容によりユーザ全体で得られる満足度を最大化する受付制御方式の実現を目指した. 本研究では,二種類のフローが到着する状況において,制御パラメータに基づいて広帯域フローを適切に呼損とする場合の即時モデルにおける理論解析と特性解析,さらに,動画像などの広帯域フローに待機を許容した場合の待時モデルにおける理論解析をすでに遂行済みであった.そのため,まず,待時モデルの特性解析を完成させ,制御パラメータに基づいて広帯域フローを適切に呼損とする即時モデルとの特性比較を行った.続いて,要求帯域に応じたユーザ満足度の考慮や,様々な種類の要求帯域のフロー到着への対応は必要不可欠であるため,ユーザ満足度と要求帯域の関係を考慮した受付制御方式への拡張を行った.しかし,実ネットワークにおいては,利己的なユーザとは異なり,他のユーザのために協力的な行動をとる利他的なユーザも存在する可能性がある.そこで,このような協力的なユーザが存在する場合にも適用可能な新たな受付制御方式を提案し,理論解析および数値解析を行うことで提案方式の有効性を示した.以上,二種類のフローが存在する場合を対象として,網が現在おかれている状況を考慮しながら適切に到着フローを収容することで全ユーザ満足度を向上させる新しい受付制御方式が,研究時間内に実現した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画においては,全てのユーザが利己的に振る舞うという大きな前提のもとで研究を遂行する予定だったが,全ユーザ満足度最大化という大きな目的を達成させるために,より現実的な状況である,一部のユーザは利己的ではなく利他的に振る舞うという状況を想定し,研究を遂行するまでにいたった.したがって,本研究は,当初の計画以上に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究においては,全てのユーザが利己的に振る舞うというモデルのほかに,一部のユーザは利他的に振る舞うという前提をおくことで,より現実的なネットワークにも対応できる受付制御方式を実現可能となった,しかし,現段階の研究では,利己的ユーザおよび利他的ユーザは,利己的に振る舞うか利他的に振る舞うかについては時間変化に関わらず変更することないと仮定しているため,状況に応じて各ユーザが利己的や利他的に振る舞うという流動的なモデルは想定していない.そこで,時間的に流動的なユーザの振舞いの変化にも対応できる受付制御方式を実現させるために,進化ゲーム理論を用いてユーザの振舞いを解析する.
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Research Products
(15 results)