2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11J08295
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
樋渡 彩 法政大学, デザイン工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ヴェネツィア / 水の都市 / 近代化 / 舟運 / イタリア |
Research Abstract |
1、舟運と都市: アドリア海規模:マルチャーナ図書館にある衛生法の史料から舟運の考察が可能である。 河川規模:ラグーナにそそぐピアーヴェ川からブレンタ川までを扱う。Caniato G.,La viadel Fiume Dale Dolomiti a Venezia,1993、AA.VV,Il Piave,Verona 2004、Pavan Camillo氏の文献などをもとに進める。文献及び現地調査は平成24年度の課題である。 ラグーナ規模:ヴェネツィアで水上バスを運航しているACTV社の歴史を追うともに、ACTV社の前身であるACNIL社の史料を収集した。マルチャーナ図書所蔵の報告書や新聞、時刻表から乗客輸送のルートを考察し、航路を復元した。 都市内規模:ACTV社、ACNIL社の史料を収集した。 →ラグーナ内規模と都市内規模を中心にまとめ、査読論文に投稿し、受理された。 2、水際の変化の様子 ヴェネツィア市立の古文書館で収集した図面及び資料などの史料を用いて水際の利用がどのように変わるのかを明らかにする。現在、図面や文字史料を読み込み、考察中である。 3、周辺島々や大陸の都市との関係性 周辺の島々については、19世紀末から進むリド島の観光開発、産業の発展等の計画と背景を把握する。また、パドヴァ、トレヴィーゾなどのヴェネツィアと河川で密接につながっていた都市との関係の変化を追う予定である。 平成23年度は、この一連の研究を進めるにあたり、ヴェネツィアおよびヴェネツィア周辺の史料に詳しいヴェネツィア建築大学のGianighian教授、建築史専門のBaristrieri教授、近代史のZucconi教授、ヴェネツィア国際都市センター所長Bruttomesso氏との交流を深め、情報を得ることで様々な角度からこの問題を考えることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の本研究費で購入した文献や、史料の読み込みを行うことで、価値ある研究をまとめることができた。 1、舟運と都市;アドリア海規模、河川規模、ラグーナ規模、都市内規模の舟運と都市の変容において、ラグーナ内規模と都市内規模を中心にまとめ、イタリア研究の専門が多い地中海学会の査読論文に投稿し、受理された。「近代ヴェネツィアにおける都市発展と舟運が果たした役割」『地中海学研究』、2012年6月に掲載予定である。そのほか、論文を多数執筆中である。
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Strategy for Future Research Activity |
1、舟運と都市: アドリア海規模:マルチャーナ図書館にある衛生法の史料から舟運の考察し、航路を復元する。 河川規模:文献収集及び現地調査を実施する。 2、水際の変化の様子 収集した図面及び資料を読み込み、査読論文をまとめる予定である。 3、周辺島々や大陸の都市との関係性 19世紀から20世紀の計画と背景を把握する。また、ヴェネツィアと河川で密接な都市との関係の変化を追う。ヴェネト地域の歴史の専門であるCiriacono教授と交流を深めながら、文献収集と現地調査を行う。
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