2012 Fiscal Year Annual Research Report
ホットソープ法を用いた電極活物質ナノ粒子の形態制御と全固体電池の高性能化
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11J09752
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
麻生 圭吾 大阪府立大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 全固体リチウム二次電池 / ホットソープ法 / 電極-固体電解質界面 / 形態制御 |
Research Abstract |
全固体リチウム二次電池の電極部分には、電極活物質、固体電解質、導電助剤の3者を混合することにより作製した電極複合体を用いており、この3者間の固体-固体界面で電気化学反応が進行する。このことから、全固体電池の高性能化のためには、電極複合体の形態制御が非常に重要である。本研究では、電極複合体内の良好な固体-固体界面の構築を目的として、高沸点の有機溶媒を反応場に用いるホットソープ法を用いて、様々な形状の電極活物質を合成してきた。これまでに、高容量電極活物質であるNiSと導電性材料であるVGCF(気相成長炭素繊維)からなる複合体をホットソープ法で合成し、それを用いた全固体電池が高電流密度下(1.3mAcm-<-2>)で高い容量を示すことを報告してきた。これは、電極活物質(NiS)に良好な電子伝導パスが形成されたためである。 本年度は、パルスレーザー堆積法を用いて、上記の複合体に硫化物固体電解質薄膜をコーティングし、Nis電極活物質に電子伝導パスだけでなくリチウムイオン伝導パスも形成させることに成功した。硫化物固体電解質をコーティングしたNis-VGCF複合体を用いた全固体電池は、高電流密度3.8mAcm-<-2>(1Cレート)において、硫化物固体電解質をコートしていないNiS-VGCF複合体を用いた電池と比べて、高容量かつ良好なサイクル特性を示した。これは、電子とリチウムイオンの良好な伝導パスが電極複合体内に形成されたためと考えられる。以上の結果は、論文(1報)と学会(国内1件、国外2件)で既に発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では全固体電池の高性能化を目指して、電極活物質-固体電解質界面の構築を行っている。平成24年度は、パルスレーザー堆積法を用いて、電極活物質-カーボンファイバー複合体に硫化物固体電解質薄膜を堆積させることに成功し、それを用いた全固体電池の結果も良好である。平成25年度は、パルスレーザー堆積法よりも時間やコストがかからないプロセスでの電極活物質一固体電解質界面の構築を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、申請書に記載した硫化物固体電解質の液相合成について実験を開始する。硫化物固体電解質を液相場から析出させることに加えて、その固体電解質溶液を用いて電極活物質に硫化物固体電解質をコーティングすることを目標としている。
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Research Products
(8 results)