2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11J10026
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
平松 晃一 名古屋大学, 環境学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 人文地理学 / アーカイブズ学 / 資料収集 / 資料保存 / 地名辞典 / メタデータ / 再開発地区 / 場所の過去 |
Research Abstract |
本年度は、"場所の過去を示す資料がどのように扱われてきたか・どのように扱うべきか"という視点から、"場所の過去を記録すること"の意義を説明し、それを踏まえて"場所の過去を保存すること"の望ましい方法を検討・提案することを目的として、地理学における中心的文献の精読、他分野の文献渉猟、保存の実践、および論文の執筆を行い、国際標準の地名辞典上で日本の過去の地名を扱う際に生じる技術的課題の解決策を提案するための準備を行った。 中心文献の精読では、1980年代以降の欧米における議論に重要な役割を果たしたLowenthal,D.による"The past is aforeign country"(1985)をはじめとした一連の論考について、全訳を試みた。文献渉猟では、建築学・都市工学、法学、図書館情報学・アーカイブズ学といった幅広い分野の既存研究から"過去の記録と保存"に関する制度や理念、事例に関する基礎的知識を取得した。保存の実践では、2006年以降、自身で収集してきた、再開発地区で失われる物理的環境および業務に関する資料を、前出のアーカイブズ学において国際的標準とされる理念と手法にしたがって、整理し記述した。以上を踏まえ、(1)再開発事業の中で、都市において主要な"場所の過去を示す資料"である建造物の保存と解体とがどのように決定されたか、という「現在における過去の利用法」を明らかにする論考、(2)自身が収集、整理した資料を用い、地理学における"場所"とその過去に関する議論と、アーカイブズ学における資料保存の実践的手法とを接続する形で、"場所の過去を示す資料"はどのように整理・保存されるべきかを考察、提案した論考を、国内学会誌に投稿した。また、過去に刊行された地名辞典に収録された地名データと、ウェブ上に存在する地名データとを抽出し、国際標準の地名辞典データ形式に変換する作業を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
最終年度
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度
|