2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640004
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
大西 良博 岩手大学, 人文社会科学部, 助教授 (60250643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾台 喜孝 岩手大学, 人文社会科学部, 助教授 (10204215)
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Keywords | 超楕円曲線 / hyperelliptic curve / アーベル(Abel)函数 / 虚数乗法論 / Frobenius-Stickelberger / Kiepertの公式 / Bernoulli数 / Hurwitz数 |
Research Abstract |
本研究の当初の目的は、円分型と呼ばれる超楕円曲線に対するアーベル函数の従来の意味とは異なる(しかし極めて自然な)n倍公式(それは有理式であるが)の分子であった。しかるに第1年度に分母の方が大変興味深い行列式表示を持つことを発見し、本年度もそれについて研究を進めた。種数2の場合はGlasgow Math. J. (2002)に掲載された。種数3の場合はTokyo J. Mathに掲載が確定している。種数一般の論文についてもWeb上で公開してをり、downloadする研究者が多い。これは7月に都立大でのセミナーで発表もした。英国の研究者(J. C. Eilbeck他数名)からこの論文に関する講演のための招聘を受けてをり、現在調整中である。 また上記アーベル函数に対する別の方向からの研究にも取り組んだ。それは、Laurent展開の係数(有理数)についてのもので、三角函数cot(u)の展開係数であるBernoulli係数や、Gauss整数に虚数乗法をもつ楕円函数δ(u)の展開係数であるHurwitzと同じく、von Staudt-Clausen型の定理やKummerの合同式が見事な形で成立することを発見したのである。証明は出来上がったばかりで現在論文にまとめてゐる。 浜名湖でのSpring Conference(2/15-19)にて、証明の方針などについて発表した。分担者尾台は、筆者のかはりに、文献収集や研究打ち合せなどに出掛けたり、議論などに加はつたりして、協力を行なつた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yoshihiro Onishi: "Determinant expressions for Abelian functions in genus two"Glasgow Mathematical Journal. 44-3. 353-364 (2002)
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[Publications] Yoshihiro Onishi: "Determinant expressions for hyperelliptic functions in genus three"Tokyo Journal of Mathematics. (未定).
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[Publications] 大西良博: "楕円曲線の等分多項式の超楕円曲線に対する一般化とその行列式表示"中央大学理工学部 研究開発機構主催研究集会「暗号とそれを支える代数曲線理論」第2回報告集. 報告集. 121-140 (2002)
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[Publications] 尾台喜孝, 河本史紀: "総実代数体の不分岐アーベル拡大のnormal integral basis"第6回津田塾大学整数論シンポジウム報告集. 69-74 (2001)
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[Publications] Yoshitaka Odai, Hiroshi Suzuki: "The rank of the group of relative units of a Galois extension"Tohoku Mathematical Journal. 53巻. 37-54 (2001)
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[Publications] Fuminori Kawamoto, Yoshitaka Odai: "Normal integral bases of ∞-ramified Abelian extensions of totally real number fields"Abhandlungen aus dem Mathematischen Seminar der Universitat Hamburg. 72巻. 217-233 (2002)