2000 Fiscal Year Annual Research Report
結合阻害剤を用いたABA受容体の基質選択異常突然変異体の分離と解析
Project/Area Number |
12640642
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
平山 隆志 理化学研究所, 植物分子生物学研究室, 研究員 (10228819)
|
Keywords | アブシジン酸 / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
ABAの情報伝達系路については、多くのことが不明のままである。特に受容体については何もわかっていない。ABA受容体の突然変異を分離する目的で、ABA認識が異常になった突然変異体の探索を試みた。つまり、ABA類似物質をABAとして認識してしまうような突然変異を得ることができれば、それはABA受容体の変異と考えられる訳である。突然変異誘導薬剤EMSまたは、加速中性子で処理したシロイヌナズナM2世代種子合計約90万を、ABA類似化合物質PBI-51(以後ARIと呼ぶ)を含む培地にて発芽させ発芽及び生育が顕著に遅れる突然変異体を15株ほど選抜した。これらの変異体は、ARIをABAとして認識する変異、またはABA高感受性変異と考えられる。前者の場合変異は優性であることが予想されるが、遺伝学的解析によりいくつかの株が優性変異であると考えられ、これらがABA受容体の突然変異である可能性がある。ABA受容体の変異でないものは、ABA高感受性変異であると考えられる。ABA高感受性変異として現在までにeral,ein2がすでに報告されているが、今回分離した変異株は、遺伝学的解析などによりこれらのどちらでもないことが判明し、新たな突然変異と考えられる。今後これらの変異ついて、マッピングにより原因遺伝子の同定を行う予定である。また、ABA合成が少なくなった突然変異、例えばaba2を用いれば、ARI処理でABA高感受性変異雅趣婁原する頻度が少なくなることを見いだしたので、新たにaba2に突然変異を導入し選抜を行っている。
|