2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650143
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Research Institution | KYUSHU INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
西川 宏志 九州工業大学, 工学部, 助手 (40208161)
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Keywords | 弾性流体潤滑 / 膜厚 / 光干渉法 / 変動荷重 / 表面凹凸 / 機械要素 / トライボロジー |
Research Abstract |
機械要素の性能向上のために重要な弾性流体潤滑下での油膜挙動の把握を目的とし,二色光干渉法を用いて,ガラス円板と鋼球からなる点接触下で変動荷重を受けるEHL膜挙動の直接観察を行い以下の知見を得た. ・変動荷重下ではスクイズ運動に起因する潤滑油の閉じ込め現象が生じる. ・一定荷重条件のEHL下で見られるのと同様に,変動荷重の負荷行程,除荷行程においても接触域内の潤滑油はガラス円板表面と鋼球表面の速度平均で移動する.つまり変動荷重下においても潤滑油の挙動はせん断流れに支配される. ・除荷行程における入口膜厚の低下は,鋼球とガラス円板の平均速度(潤滑油速度)と荷重変動に起因する接触円半径の変化による接触域入口位置の移動速度の相互作用である.すなわち潤滑油とくさび形状の相対速度が膜厚に影響する. ・流入速度が速く油膜が厚い場合には,負荷・除荷による油膜厚さの変動が小さくなる.これは潤滑油速度が速いため,荷重変動の影響を受けた油膜が短時間で下流に移動すること,油膜厚さが厚いことでスクイズ作用を受けた油膜が接触域外に排出されやすいことなどが原因である. ・表面に運動方向に直角な復列突起を形成した鋼球を用い,鋼球を固定した純滑り実験の場合には,荷重の変化に伴う接触半径の変化が接触域入口と突起の相対位置に影響し,突起が流入を妨げる位置に存在する場合には入口膜厚が低下する.また,その入口膜厚が接触域内の油膜厚さを支配し,接触域内にある突起は平滑化される.
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