2001 Fiscal Year Annual Research Report
集積化バイオデバイスを用いた匂い情報通信システムに関する研究
Project/Area Number |
12650396
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
三林 浩二 東海大学, 電子情報学部, 助教授 (40307236)
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Keywords | バイオデバイス / 匂い情報通信 / 薬物代謝 / 匂いセンサ / アンモニアガス / メチルメルカプタン / 匂い再生 / 光ファイバーセンサ |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、薬物代謝機酵素を用いた選択性の高い匂い成分計測用のバイオデバイスを構築し、匂いを具現化しうるシステムの研究を行い、「匂い情報通信システム」を構築することである。本年度は特に、【(1)各種匂いセンサの作製と特性評価】、【(2)光デバイスを用いた匂いセンサの構築と特性評価】を進め、さらに、【(3)複合臭発生装置の試作】を実施した。以下に、その詳細を記す。 1.各種匂いセンサを構築すると共に、光匂いセンサを作製した。 (1)S-酸化触媒反応を導くフラビン含有モノオキシゲナーゼを用いバイオセンサを作製し、気液隔膜型センサユニットに組み込み、メチルメルカプタンガス用匂いセンサを構築した。本センサは、大根臭の主成分であるメチルメルカプタンを計測することが可能であった。また同様に、糞尿臭の主成分であるアンモニアを計測するアンモニアガス用匂いセンサを構築した。 (2)アレイ化用デバイスとして、光ファイバー型バイオセンサの作製と評価を実施した。作製では、ルテニウム錯体をコーティングした酸素感応型光ファイバーに、アルコール酸化酵素を固定化し、光ファイバー型アルコールセンサを構築した。本センサはアルコールガスを人の嗅覚レベルで検出・定量することが可能であった。 2.一方、市販の2ch式ガス発生装置をもとに、複合臭による匂い再生実験を行った。実験ではメチルメルカプタンとエタノールを主要な匂い成分とする大根臭について、2種のガス成分についてキャリアーガス流量を制御し、任意の濃度を混合することで、大根臭の再生を可能とした。 上記のように、(1)複数の匂いセンサを構築し、(2)光ファイバー型匂いセンサの構築に成功した。また、(3)匂い再生の基礎実験を行い、「匂い情報通信システムの構築」の目標達成に向け、十分な成果をあげることができた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hidenori WATANABE: "Gas-phase biosensor for aldehyde chemicals"Journal of Advanced Science. 13(1&2). 29-30 (2001)
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[Publications] Kohji MITSUBAYASHI: "Bioelectronic nose for Methyl Mercaptan Vapor using a Xenobiotic Metabolizing System"The 11th International Conference of Solid-State Sensors and Actuators,Digest of technical papers. volume1. 346-349 (2001)
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[Publications] Yuki HASHIMOTO: "A pattern recognition of malodor substances using a bioelectrical nose system"ICAS2001 abstract. 195 (2001)
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[Publications] Kohji MITSUBAYASHI: "Bioelectronic nose with xenobiotic metabolizing system for malodor substances"40th Eastern Analytical Symposium & Exposition,ABSTRACTS. 64 (2001)
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[Publications] Kohji MITSUBAYASHI: "Biochemical gas-sensors for a newly artificial nose system"第四回日仏バイオセンサー・バイオエレクトロニクス会議. 46 (2001)
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[Publications] 三林 浩二: "技術の差別化によるバイオ・ベンチャーの模索"技術と経済. 3. 40-51 (2002)