2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12670685
|
Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
河野 雅和 香川医科大学, 医学部, 教授 (20153489)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 佳宏 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (00314930)
藤田 憲弘 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (40322268)
大森 浩二 香川医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (00263913)
|
Keywords | エンドセリン / 動脈硬化症 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
エンドセリンは血管内皮細胞ばかりでなく平滑筋細胞、心筋細胞などいくつかの細胞でも産生が認められる。また、pltelet-derived growth factor(PDGF)やangiotensinII(AngII)は、その産生を促進することが認められている。さらに進行した動脈硬化病変では血管内皮ばかりではなく、平滑筋細胞においても著しくET-1産生が亢進することが認められている。現在、私どもはhepatocyte growth factor(HGF)のnaked DNAを用いて、動脈硬化症に対する遺伝子治療を開始しようとしている。今回の成績は、HGFは増殖促進因子であるET-1の産生を血清非存在下においても10%血清、10^<-6>mol/L AngII在下のいずれにおいても促進しなかった。HGFはET-1産生に関与するptotein kinase C活性に、少なくと平滑筋細胞においては影響を与えないと考えられた。これに反して、塩基性線維芽細胞増殖因子は平滑筋細胞のET-1産生を亢進させた。HGFは様々な細胞に対して増殖や運動性の促進、形態形成誘導、抗アポトーシス作用をもち、血管新生作用をも有している。HGFが平滑筋細胞のET-1の産生を様々な条件においても促進させなかったことは、この因子が将来的にASOや冠動脈形成術PTCA後の再狭窄などに対する遺伝子治療に使用される可能性のある現在、有用な基礎的実験結果であると考えられる。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 河野雅和: "特集 血管内皮と高血圧「エンドセリンと高血圧」"血圧. 8・12. 1229-1236 (2001)
-
[Publications] Masakazu Kohno: "Inhibition by Eicosapentaenoic Acid of Oxidiszed-LDL-and-Lysophoshatidylcholine-Induced Human Coronary Artery Smooth Muscle Cell Production of Endothelin"Journal of Vascular Research. 38・. 379-388 (2001)
-
[Publications] 河野雅和: "動脈硬化進展の細胞内機序-血管平滑筋細胞の遊走・増殖と血管作動因子-"別冊・医学のあゆみ 冠血管リモデリング. 79-83 (2000)
-
[Publications] 河野雅和: "Hepatpcyte Growth FactorならびにBasic Fibroblast Growth Factorのエンドセリン産生に及ぼす効果-培養ラット平滑筋細胞での検討-"Progress in Medicine. 21・9. 2249-2252 (2001)