2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12670841
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
川島 眞 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (60114451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宍戸 悦子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (60307543)
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Keywords | 悪性黒色腫 / GROα / 腫瘍 |
Research Abstract |
GROαの悪性黒色腫の発生への関与を検討する端緒として、結節型悪性黒色腫と真皮型母斑細胞性母斑における、GROαの蛋白発現を免疫組織学的に検討した。その結果、両者ともその被覆表皮細胞では、瀰漫性にGROαの発現が確認された。一方腫瘍細胞においては、母斑細胞性母斑では陽性所見は得られなかったが、結節型悪性黒色腫では、真皮上層の腫瘍塊を形成する部分では発現がみられなかったものの、真皮下層の腫瘍辺縁部の腫瘍細胞が単独ないし少数の集塊として、深層への浸潤を生じている部位ではGROα蛋白の存在を示す強い陽性所見が得られた。 以上の結果は、両者の腫瘍において、表皮細胞において産生されるGROαがいかなる作用を有しているかは不明であるが,少なくとも、良性の母斑細胞母斑においては、腫瘍細胞自身からの産生は低く、その腫瘍発生におけるGROαのオートクリン増殖因子としての作用はみられないものと推察された。一方悪性黒色腫では、増殖性が高いと考えられる一部の腫瘍細胞において、オートクリン増殖因子として作用しているものと推察された。すなわち、悪性黒色腫の局所での増殖、拡大、さらには局所ないし遠隔転移のメカニズムにGROαが関与している可能性が示唆された。
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