2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト糸球体疾患の進展過程におけるFSP1陽性線維芽細胞の関与
Project/Area Number |
12671043
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
岩野 正之 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (20275324)
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Keywords | 糸球体腎炎 / 間質線維化 / 線維芽細胞 / FSP1 / EMT |
Research Abstract |
1.腎糸球体疾患でのFSP1陽性線維芽細胞の局在 ヒト腎疾患の進展過程におけるfibroblast specific protein 1(FSP1)陽性線維芽細胞の役割を明確にする目的で,各種腎糸球体疾患でのFSP1陽性線維芽細胞の局在を検討た.60例の各種腎糸球体疾患患者(IgA腎症37例,膜性腎症10例,巣状分節状糸球体硬化症5例,微小変化型ネフローゼ症候群5例,半月体形成性腎炎3例)の腎生検組織を用い,抗FSP1抗体による酵素抗体法を実施した.FSP1陽性線維芽細胞数は,間質線維化領域に主に認められた.また,半月体形成性腎炎では,半月体内と糸球体上皮細胞の一部にもFSP1陽性細胞が認められた. 2.FSP1陽性細胞と間質病変との関連 10視野(400x)での平均FSP1陽性細胞数と間質線維化領域との関連を検討した.線維化領域は,Masson's trichrome染色した連続切片を用いて,point counting法で計測した.さらに,FSP1陽性尿細管上皮細胞を有する尿細管数と線維化領域との関連も検討した.FSP1陽性線維芽細胞数は,間質線維化領域と有意の正相関を示した.FSP1陽性上皮細胞を有する尿細管数も,間質線維化領域と正相関を示した.したがって,FSP1陽性細胞は,間質線維化を主としたヒト糸球体疾患の進展に関与する可能性がある.
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