2001 Fiscal Year Annual Research Report
肺移植における免疫寛容の誘導と機構解析―T細胞抑制性接着分子CTLA―4の発現とその役割―
Project/Area Number |
12671298
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
齋藤 幸雄 千葉大学, 医学部・附属病院, 講師 (60261905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 隆 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (50205655)
藤澤 武彦 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80110328)
関根 康雄 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (70312957)
馬場 雅行 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (00143305)
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Keywords | 肺移植 / ラット / CTLA-4 / ドナー特異的輸血 / 免疫寛容 |
Research Abstract |
平成13年度の研究実績 Donor specific transfusion(DST)によるrecipient脾臓T細胞内部でのCTLA-4発現の経時的変化 平成12年度の研究で、DSTによりrecipient脾臓内T細胞内部でCTLA-4が発現すること、DSTにより移植肺生着延長効果が認められることが突き止められた。その因果関係については以前不明であるが、CTLA-4Igの血管内投与により、移植臓器(肝,心)の生着延長効果が認められるという報告から、我々はCTLA-4の早期からの発現が、免疫抑制に有利に働いているものと推測した。そこで本年度はCTLA-4の発現と移植肺生着延長効果との因果関係,CTLA-4のT細胞表面への発現時期について検討した。まず移植7日前にDSTを行ったDST群と何も術前処置をしないcontrol群とに分け、肺移植後1週間でのCTLA-4およびCD28のrecipient脾臓T細胞表面での発現を見た。その結果CD28は両群とも同程度に強く発現していたのに対し、CTLA-4は両群とも発現していたものの、その発現強度には差が見られ、control群でより強かった。更に移植後経時的にrecipientをsacrificeして見ていったところ、DST群では早期からCTLA-4の発現を認めたものの、発現強度は比較的一定していた。それに対しcontrol群については現在実験を継続中であるが、急激な強い発現を起こしてきており、組織学的変化と並行して強まっていくものと推測された。以上よりDST群では早期からの持続的なCTLA-4のT細胞表面上への発現が、移植肺生着延長効果をもたらすのではないかと示唆された。
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