2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12671319
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
高梨 吉則 横浜市立大学, 医学部, 教授 (70075505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井元 清隆 横浜市立大学, 医学部附属病院, 助教授 (40203335)
梅村 敏 横浜市立大学, 医学部, 教授 (00128589)
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Keywords | 解離生大動脈瘤 / 大動脈解離 / マトリックスメタロプロテアーゼ / MMPs / 免疫染色 |
Research Abstract |
平成14年度末までに本研究はほぼ計画通り終了している。現在、研究結果を投稿中である。 大動脈解離発症におけるマトリックスメタロアーゼの働きは明らかではない。対象は急性大動脈解離の上行大動脈の前壁30例(男性14、女性16、平均年齢64±10歳)。免疫染色には抗ヒトモノクローナルMMP-2、MMP-9、TIMP-2抗体を用いた。ELISAKitを用い、MMP-2、MMP-9、TIMP-2の定量を行った。大動脈解離の中膜平滑筋細胞と血栓周囲のマクロファージ細胞がMMP-9染色陽性であった。ELISA法によるMMP-2、9、TIMP-2の定量(CON:コントロール、AAD:大動脈解離、AAA:腹部大動脈瘤)ではMMP-2は大動脈解離と腹部大動脈瘤は正常コントロールに比較して有意に低値を示した(CON,58±30;AAA,19±17(p<0.001 vs CON);AAD,36±19ng/mg of soluble proteins(p<0.01 vs CON and p<0.05 vs AAA)。MMP-9は特に有意差は認めなかった。TIMP-2は大動脈解離と腹部大動脈瘤は正常コントロールに比較して有意に低値を示したAAA(CON,216±130;AAA,20±21(p<0.001 vs CON);AAD,21±25ng/mg of soluble proteins(p<0.001 vs CON)。また、TIMP-2/MMP-2 ratioとTIMP-2/MMP-9 ratioは大動脈解離と腹部大動脈瘤は正常コントロールに比較して有意に低値を示した。TIMP-2/MMP-2 ratio were 3.7±1.7 in CON,1.9±1.3 in AAA(p<0.001 vs CON)and 0.9±0.8 in AAD(p<0.001 vs CON and p<0.05 vs AAA)。TIMP-2/MMP-9 ratio were 200±170 in CON,19±23 in AAA(p<0.001 vs CON) and 37±80 in AAD(p<0.001 vs CON)。大動脈解離発症においてMMPs/TIMPsの低下が関与している事が示唆された。
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