2000 Fiscal Year Annual Research Report
発育期腰椎終板障害の病態〜生体力学・分子生物学的アプローチ〜
Project/Area Number |
12671420
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
武田 芳嗣 徳島大学, 医学部・附属病院, 講師 (20243694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 理一 徳島大学, 工学部, 教授 (00112235)
西良 浩一 徳島大学, 医学部, 講師 (10304528)
加藤 真介 徳島大学, 医学部, 助教授 (30243687)
酒巻 忠範 徳島大学, 医学部・附属病院, 医員(臨床)
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Keywords | 腰椎分離症 / 腰椎すべり症 / 終板障害 / 生体力学 / 発育期 |
Research Abstract |
本年度は、分離脊椎における生体力学的破綻について検討した。 新鮮仔牛屍体脊椎を用いた実験では、前方剪断負荷下における負荷変位動態を測定した。各脊椎を脊椎可動区分(Functional Spinal Unit:FSU)に切離し、計10FSUを得た。5FSUにはpars defectsを作製しdefect(+)群とし、残る5FSUはpars defectsを作製しないdefect(-)群とした。これらFSUに前方剪断負荷を与え破損に至らせた。この際得られた負荷-変位曲線より、FSUの剛性(N/mm)、破損部位、破損の際の負荷量(N)および変位量(mm)を求めた。Defect(-)群における負荷-変位曲線は2峰性を示した。225.3±22.3(N/mm)の初期剛性を示し、3.5±0.5(mm)変位した後、964.0±87.1(N)で最初のピークを迎える。さらに、7.2±0.5(mm)変位した後、750.5±72.3(N)で次のピークを示した。Defect(+)群における負荷-変位曲線は1峰性であり、155.5±20.3(N/mm)の初期剛性を示した後、6.8±0.3(mm)変位し、734.1±65.3(N)で破損に至った。以上の様に、分離脊椎は負荷-変位曲線、破損強度および剛性においてすでに異常を来していることが明かとなった。また、臨床的には、レントゲン側面像における屈曲・伸展回転中心(IAR)を調査した。分離椎のIARをみると、初期分離は対照群とほぼ同様な位置に存在するが、分離症の病期が進行期、終末期になると頭側に変位することが明かとなり、IARの観点からも、分離症における生体力学的破綻が証明された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Sakamaki T, et al.: "Comparison of spine movements between normal and pediatric spine and spondylolytic spine with reference to instantaneous axis of rotation."Proceedings of Spine across the Sea 2000. 117 (2000)
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[Publications] Sairyo K, et al.: "Slippage mechanism of pediatric spondylolysis. A clinical and biomechanical study."Proceedings of Spine across the Sea 2000. 131 (2000)
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[Publications] Sairyo K. et al.: "Development of spondvlolytic olisthesis in adolescents"The Spine Journal. (in press). (2001)
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[Publications] 加藤真介 ほか: "発育期におけるスポーツと腰痛"脊椎脊髄ジャーナル. 13(6). 496-506 (2000)
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[Publications] 西良浩一 ほか: "成長期のスポーツ障害II整形外科.頚と胸椎、腰椎まで"Orthopedics. 13(4). 39-48 (2000)
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[Publications] 西良浩一 ほか: "発育期腰椎終板障害"整形・災害外科. 43(11). 1261-1268 (2000)