2003 Fiscal Year Annual Research Report
睾丸腫瘍細胞に対する遺伝子治療の開発とそのメカニズムの解析
Project/Area Number |
12671537
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
鎌野 寛 香川大学, 保健管理センター, 教授 (60284337)
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Keywords | A-myb / B-myb |
Research Abstract |
myb遺伝子産物であるmybタンパク質は核内に局在し、転写因子として特徴的なDNA結合ドメインを持つ。このDNA結合ドメインがDNAの認識配列に結合し、その認識配列が存在するプロモーターの転写活性を調節する。c-myb遺伝子と相同性を持つ遺伝子としてA-myb、B-mybが見出された。われわれはB-myb遺伝子が細胞の増殖に関連する遺伝子であることを発見した。アンチセンス法を用いた遺伝子治療とは、特定のメッセンジャーRNA(mRNA)に対し相補的配列を持つアンチセンスDNAを用い、目的mRNAとアンチセンスDNAがDNA-RNA複合体を形成し特異的に遺伝子発現を阻害する方法である。睾丸腫瘍細胞の増殖に関連したB-myb遺伝子を抑制することにより、睾丸腫瘍細胞の増殖を抑制可能なのではないかとの仮説をたて、アンチセンスB-myb遺伝子による遺伝子治療の基本モデルの作成を試みた。われわれは、これらの問題点を解決するために共同研究者今西小比賀らが開発した核酸類縁体(BNA)アンチセンスmybを用いて研究を開始した。培養開始4日目で核酸類縁体antisenseB-mybを加えた細胞はコントロールの細胞に比較して有意にコロニー数が低下していることが確認された。核酸類縁体antisenseB-mybのうち2個の塩基をミスマッチさせたものを加えた細胞ではコロニー数の有意な低下は認められなかった。また、SオリゴヌクレオチドantisenseB-mybや塩基を2個ミスマッチさせたSオリゴヌクレオチドantisenseB-mybを加えた細胞においても有意な低下は認められなかった。核酸類縁体antisenseB-mybの添加により細胞内のB-myb mRM量が低下し、その翻訳産物であるB-mybタンパク質の量が低下し、細胞周期が阻害され増殖が低下した可能性があると考える。
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