2001 Fiscal Year Annual Research Report
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12671634
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
早川 智 日本大学, 医学部, 講師 (30238084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 三男 国立感染症研究所, エイズ研究センター, 第一グループ長(研究職) (20117378)
根本 則道 日本大学, 医学部, 教授 (80096875)
西成田 進 日本大学, 医学部, 講師 (70110963)
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Keywords | HIV / SHIV / エイズ / 胎盤関門 / ケモカイン / NKT細胞 / アポトーシス / カニクイザル |
Research Abstract |
HIV感染妊婦における胎児,新生児に対する垂直感染の予防は人類保健上重要な課題の一つである.予後不良な小児エイズの多くは母子感染によるとされるが,十分な治療を受けられる日本においても一定の確率で子宮内感染を生じる一方,無治療の発展途上国でも必ずしも全症例に垂直感染を来すわけではない。 我々は文部科学省科研費によってin vitroでヒト絨毛細胞へのHIV感染機構を解析し, 1)HIVはCD4非依存的に絨毛癌細胞に感染するがケモカインレセプターは関与する 2)絨毛細胞と脱落膜リンパ球の間にケモカインを介した情報伝達が行われている 3)脱落膜リンパ球はIL-16や各種のケモカインを産生しHIVの局所感染防御に作用する 4)ヒト脱落膜に存在するNKT細胞の大部分はTh2/Th3/Tr1の表現型を有することを明らかにし報告した. また共同研究者である国立感染研の本多らが開発した高病原性のSHIVキメラウイルスと妊娠カニクイザルを用いた母子感染の解析を行っている。その結果 1)世界で初めて経静脈投与によるSHIVの子宮内感染モデルを作成し,高い血中ウイルスレベルと死産との関連を明らかにした 2)妊娠サルでは非妊娠時に比べ高ウイルス血症とCD4の低下がより迅速に生じ感染初期の免疫抑制状態がより長期間持続する。 3)胎盤への感染所見と胎児末梢リンパ節の広範なアポトーシスより新生児免疫不全の機構を明らかにした. これらの知見をもとに現在妊娠中に投与した抗ウイルス剤の効果ならびにDNAワクチンの効果を検討中である.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 早川 智, 永石(石井)真木, 千島史尚, 鈴木(唐崎)美喜, 山本樹生, 本多三男, 吉野直人, 仲宗根正, 原敬司, 泉康之, 網康至, 小峯志保子, シェイク・アリムザマン, 根本則道: "生殖免疫学から見たHIV母児感染"日本生殖免疫学会雑誌. 16(1). 1-6 (2001)
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[Publications] Ishii M, Hayakawa S, Suzuki MK, Yoshino N, Honda M, Nishinarita S, Chishima F, Nagaishi M, Satoh K.: "Expression of functional chemokine receptors of human placental cells"Am J Reprod Immunol. 44(6). 365-373 (2000)
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[Publications] Seo N, Hayakawa S, Takigawa M, Tokura Y: "Interleukin-10 expressed at early tumour sites induces subsequent generation of CD4(+) T-regulatory cells and systemic collapse of antitumour immunity"Immunology. 103(4). 449-457 (2001)
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[Publications] Tsuda H, Sakai M, Michimata T, Tanebe K, Hayakawa S, Saito S.: "Characterization of NKT cells in human peripheral blood and decidual lymphocytes"Am J Reprod Immunol. 45(5). 295-302 (2001)
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[Publications] Chishima F, Hayakawa S, Sugita K, Kinukawa N, Aleemuzzaman S, Nemoto N, Yamamoto T, Honda M: "Increased expression of cyclooxygenase-2 in local lesions of endometriosis patients"Am J Reprod Immunol. 46(In press). (2002)
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[Publications] 早川智, 山本樹生(分担執筆), 武谷雄二 総編集: "新女性医学体系 2 妊娠・分娩・産褥の生理と異常 免疫系 妊娠維持と生体防御 (p97-109)"中山書店(東京). 382 (2001)
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[Publications] 早川智(分担執筆), 中山徹也, 牧野恒久, 高橋迪雄 監修: "妊娠の生物学 妊娠におけるTh1/Th2バランス (p159-164)"永井書店(大阪). 396 (2001)