2000 Fiscal Year Annual Research Report
視覚の運動認知と空間認知の統合過程の検討-視運動刺激を用いたfunctional MRIによる大脳活動の計測-
Project/Area Number |
12671658
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
水田 啓介 岐阜大学, 医学部, 助教授 (10190638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑田 一夫 岐阜大学, 医学部, 助教授 (00170142)
伊藤 八次 岐阜大学, 医学部, 教授 (60135192)
青木 光広 岐阜大学, 医学部・附属病院, 助手 (30283302)
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Keywords | Functional MRI / 視覚刺激 / 大脳活動 / 運動認知 / 空間認知 |
Research Abstract |
これまでサルの視覚関連領域の研究から、視覚情報のなかでも視覚対象物の動きの情報や視覚による空間的位置に関する情報の処理は大脳の背側経路を通ってなされ、MT野やMST野では視覚刺の動きの情報を、頭頂連合野では位置の情報が処理されていることが生理実験などで明らかになってきている。 動く物体を空間的に認知する過程では、動きの情報や位置の情報が統合されて処理される。これらの視覚の運動認知や空間認知に関してはヒトにおいてはまだ十分に解明されていない。近年functional MRIを使い、ようやくヒトでの大脳における視覚情報処理の一部が検討されるようになった。我々は平衡障害患者を空間認知障害ととらえ、めまい患者での大脳における認知障害を将来的に検討する一歩として、平衡機能検査として一般的に行われている視運動刺激をおこなう時の大脳活動をfunctional MRIで検討することを目的とした。 第一段階として、正常人10名に対して線条刺激を用いた場合の大脳活動をfunctional MRIで検討した。これにより正常人ではMT、MST野を含む上側頭回や下頭頂葉に活動の増加が見られることがわかった。ヒトでもこれらの領域が視覚の運動、空間情報に関与することが示唆された。また左右の大脳半球を比較すると左右の視運動刺激では右半球に活動の優位性が認められた。視運動刺激は運動刺激、特に空間的な運動刺激であると考えている、今後空間情報のより少ない刺激や多い刺激を与えたときの活動を比較することにより空間運動認知に関わる領域を検討していく予定である。
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