2000 Fiscal Year Annual Research Report
新型肝炎ウィルスG型とTTV型の感染と口腔部悪性腫瘍
Project/Area Number |
12671959
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
高田 豊 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40163208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒川 英雄 九州歯科大学, 歯学部, 助教授 (40161781)
福田 仁一 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (00106270)
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Keywords | 歯科 / 肝炎ウィルス / G型 / TTV型 / B型 / C型 / 口腔癌 / 口腔のう胞 |
Research Abstract |
当大学附属病院入院患者の中から口腔部癌と口腔部嚢胞の患者を選択し、冷凍保存血清を用いてG型肝炎ウイルス(HGV RNA)、B型肝炎ウイルス(HBs抗原)、C型肝炎ウイルス(HCV抗体)の有無を検討した。測定したサンプルは全体で451本で口腔癌195本、口腔嚢胞256本であった。451名中24名に手術の既往があった。この内1名に腎移植の既往があった。全体サンプルの陽性率はHGV-RNA2.9%、HBs抗原1.2%、HCV抗体6.0%であった。対象者の平均年齢は50.7歳でHGV-RNA陽性者55.8歳、陰性者50.5歳と差がなかったが、HBs抗原陽性者は41.2歳、陰性者51.1歳とHBs抗原陽性者が若かった。HCV抗体は逆に陽性者が60.6歳で陰性者50.0歳とHCV抗体陽性者が高齢であった。口腔癌患者は62.7歳、口腔嚢胞患者は41.5歳と前者が高齢であった。HGV-RNA、HBs抗原、HCV抗体のいずれの陽性率にも性差は認められなかった。HBs抗原陽性者ではHGV-RNA陽性率が20%とHBs抗原陰性者のHGV-RNA陽性率2.4%よりも高値であった。口腔癌患者のHGV-RNA陽性率は3.2%、口腔嚢胞では2.8%と同程度の陽性率であったが、HBs抗原は癌患者が0%、嚢胞患者が2.1%と嚢胞患者に陽性率が高く、逆にHCV抗体は癌8.6%、嚢胞4.0%と癌患者に陽性率が高かった。肝機能検査の血清GOT、GPT、γGTP濃度はHGV-RNA、HBs抗原、HCV抗体の有無に拘わらず同程度であった。以上から、口腔癌の患者のHCV抗体陽性率はこれまでの我々の報告や他の施設の報告と同様に高値であったが、逆にHBs抗原陽性率は癌患者で低く、HGV-RNA陽性率は癌患者と嚢胞患者で同程度であった。すなわちC型肝炎ウイルスは口腔癌との関連が強いが、B型肝炎ウイルスやG型肝炎ウイルスと口腔癌の関連は低い事が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Miura K et al.: "Suppression of cardiac sympathetic nervous system during dental surgery in hypertensive patients."Hypertension Research. 23. 207-212 (2000)
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[Publications] Fujikawa M et al.: "The prevalence and etiology of hypercalcemia in hospitalized patients with oral and maxillofacial disease."Asian Journal of Oral & Maxillofacial Surgery. 12. 27-31 (2000)