2001 Fiscal Year Annual Research Report
集団成人健康診断における採血サンプルの歯周疾患診断への応用
Project/Area Number |
12672037
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
古市 保志 鹿児島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (80305143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野 陽一 鹿児島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (00315425)
伊藤 博夫 鹿児島大学, 歯学部, 助教授 (40213079)
四元 幸治 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (20295265)
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Keywords | 成人基本健康診査 / 歯周病 / CPITN / Porphyromonas gingivalis / Actinobacillus actinomycetemcomitans / 線毛 / 血液検査 |
Research Abstract |
平成11年度および12年度、鹿児島県下において40歳以上を対象とした成人基本健康診査時に、基本健診項目の診査と同時に1300名余りについて歯周組織の診査を含む歯科健診が行われた。歯周組織の健康状態はWHOによるCommunity Periodontal Index of Teatment Needs(CPITN)を用いて診査された。全身については、身長、体重、最高血圧、最低血圧の測定に続き、静脈血が採取され各種の臨床検査値が計測された。また採取された静脈血の血清の一部を用いて、歯周病原性菌であるPorphyromonas gingivails(Pg)の線毛抗原、Pgの全菌体抗原、Actionbacillus actinomyce temcomitans(Aa)の全菌体抗原に対する抗体価がELISA法により測定された。 CPITNの最大値によって被験者が4つのグループに分けられ、各々のグループにおける臨床検査値および歯周病原性菌に対する血清抗体価の平均値が求められ、グループ間で比較検討された。その結果、6mm以上の歯周ポケットを有する被験者は、男性と喫煙者に多く、またそうでない被験者に較べて有意に高い、最低血圧、白血球数、およびPg線毛抗原とPg全菌体抗原に対する高い抗体価を示した。また、ロジスティック回帰分析の結果によると、口腔内に6mm上のポケットを有する披験者は、男性(オッズ比(OR):2.03)、喫煙者(OR:1.73)、最低血圧が高い(OR:1.27)、白血球数が多い(OR:1.24)、CRP値が高い(OR:2.39)、および.Pg..線毛抗原.(OR:1.17)、Pg全菌体抗原(OR:1.54)そして舶全菌体抗原(OR:1.19)に対する抗体価が高い、ことと相関があることが明らかになった。 以上の結果から、成人基本健康診断における臨床検査値および採血サンプルの歯周病原性菌に対する抗体価を測定することによって、深い歯周ポケットを有する個人のスクリーニングが行える可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)