2001 Fiscal Year Annual Research Report
薬物相互作用による薬物排出輸送系の機能修飾と薬物の経口デリバリーシステムの開発
Project/Area Number |
12672231
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
山本 昌 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (00166779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 卓也(藤田 卓也) 京都薬科大学, 薬学部, 助教授 (00247785)
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Keywords | 消化管吸収 / 経口投与 / 吸収改善 / 薬物排出 / トランスポーター / P糖タンパク質 / 吸収促進剤 / 製剤添加物 |
Research Abstract |
近年、消化管上皮細胞にP-gpが発現し、一旦吸収された薬物を再び管腔側に排出することが報告されている。したがって、P-gpによる薬物の排出を阻害することによりこれら薬物の消化管吸収性を改善できる可能性があると考えられる。そこで本研究では、製剤添加物として用いられ薬理学的にほとんど活性を持たない界面活性剤ならびにポリエチレングリコール(PEG)に着目し、P-gpの基質となる薬物の小腸粘膜透過性に及ぼす各種製剤添加物の影響について検討を行った。In vitro薬物透過実験は、Wistar系雄性ラットの消化管を摘出し、拡散チャンバーのセルに装着することにより行った。P-gp基質としてはrhodamine 123ならびにvinblastine sulfateを用いた。また製剤添加物としては界面活性剤であるcremophor EL、Tween80、n-dodecyl-β-D-maltopyranoside(LM)、sodium dodecyl sulfate (SDS)、C_<16>TABや各種分子量を有するPEGを用いた。In vitro透過実験においてrhodamine123の粘膜側から漿膜側への吸収方向(M to S)の透過性は、非イオン性界面活性剤であるcremophor EL、Tween80、LMの併用により増大したが、陽イオン性界面活性剤であるC_<16>TAB、陰イオン性界面活性剤であるSDSでは変化が認められなかったことから、界面活性剤の持つ電荷がP-gpの阻害に関与している可能性が示唆された、また、rhodamine123の分泌方向(S to M)の透過性と吸収方向の透過性の比は、分子量約400のPEGによって小さくなり、その効果は用いたPEGの分子量や濃度に依存することが明らかとなった。
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