2001 Fiscal Year Annual Research Report
質的教育研究方法による授業改善に関する研究-社会科・生活科・総合的な学習の時間の実践を中心に-
Project/Area Number |
12680278
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
森谷 宏幸 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (10036882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 尚充 西南学院大学, 文学部・児童教育科, 教授 (20219017)
谷口 雅子 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (90036939)
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Keywords | 質的教育研究方法 / 社会科 / 生活科 / 総合的な学習の時間 / 評価 / 授業分析方法 / 授業研究史 |
Research Abstract |
本研究は、質的教育研究方法の観点による授業研究の具体的な手法を確立し、社会科、生活科及び総合的学習を中心とした授業の事例研究を蓄積し、学習者の意味づけの世界、可能性の世界を探求し、教育の営みの自己脱皮を支える臨床的知を得ようとするものである。このため、研究期間内に次のようなことを行ってきた。(1)私たちが開発してきた「参与観察と授業記録の書き起こしによる授業分析の手法」を用いて、社会科、生活科、総合的な学習の時間の実践の事例研究を蓄積し、授業改善のための諸知見を整理すること。(2)事例研究の過程を反省するとともに、エスノグラフィーの応用やナラティヴ分析やディスコース分析等を含む諸外国における質的教育研究の諸方法とその成果を幅広く検討し、質的教育研究方法による授業研究の方法を理論的に検討すること。(3)日本における授業研究の歴史を振り返り、質的教育研究方法の観点から見直す作業を行うこと。(4)質的教育研究方法による授業の事例研究と理論的研究とを総合しながら、社会科・生活科・総合的な学習の時間の授業実践の改善を図ると共に、この方法並びに得られた知見を教員養成教育や現職教育において活用する可能性をも検討すること。 以上の研究作業をまとめて「研究成果報告書」を作成する。その序論において、これまでの私たちの質的教育研究方法による授業研究の経過と到達点の概要を述べ、第1部において、戦後の授業研究の歴史を検討し、第2部において、生活科の実践の事例研究と新たな授業分析の方法の検討を行い、実践者との交流の姿を描く。第3部において、山村の小学校における「総合的な学習の時間」への取り組みの姿を描き、第4部において、実践の場の研究や教員養成教育への応用の可能性を社会科の授業の事例研究とのかかわりで考察する。
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