2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12680320
|
Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
山本 英二 岡山理科大学, 総合情報学部, 教授 (50068920)
|
Keywords | 観察研究 / 交絡 / 分割表 / オッズ比 / リスク比 / 併合可能性 / リスク差 / 反現実的モデル |
Research Abstract |
本研究は生物統計分野の分割表における関連度の交絡と併合可能性に関するものである.従来から混乱のある交絡と併合可能性を区別し,それらの関連を明らかにした.交絡バイアスを制御するために層別された分割表の層別関連度と粗関連度の関係を,反現実的アプローチによる交絡の定義を用い,ここで導入した等高線法により解析的に明らかにした.層別共通関連度オッズ比については交絡が存在しない場合にも併合可能でなく,粗オッズ比は保守化する事を解析的に証明した.さらに,交絡が存在する場合,層別オッズ比が異なる場合について,詳細な分析をした.また層別共通関連度リスク比,リスク差については無交絡と併合可能が両立することを解析的に証明した.関連度オッズ比については上で述べたように交絡によるバイアスと併合不可能性によるバイアスが混在する.この2者のバイアスの分離と推定法について,提案を行った. 観察研究の目的は因果推論を行うことにある.データ解析の段階では上記のような交絡バイアスに対する考慮が必要になる.これらを含めて因果推論を行う上での調査法,解析法についての考察に置いて,特異的疾患と非特異的疾患における因果推論の違い,疫学研究の役割,集団的因果論と個別因果論との関連について研究を進めた.さらに,じん肺と胃ガン,食道ガンの観察研究による事例研究を通じて,交絡の問題を研究した. これらの成果は国内学会2件の発表,国際学会1件の英語口頭発表がなされ,学術雑誌日本統計学会誌欧文誌に採択,日本衛生学会誌,米国産業医学会誌に発表した.
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 津田: "我が国の社会医学における因果関係論の構築を目指して"日本衛生学雑誌. 55・2. 462-473 (2000)
-
[Publications] Tsuda: "A case-control study of the relationships among silica exposure, gastic cancer, and esophageal cancer"American Journal of Industrial Medicine. 39. 52-57 (2001)
-
[Publications] Doi: "Conservative tendency of the crude odds ratio"Journal of Japan Statistical Society. 31・1(未定). (2001)