2000 Fiscal Year Annual Research Report
好酸球増多症ラットの系統樹立と病態解析に関する研究
Project/Area Number |
12680808
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
松本 清司 信州大学, 医学部・動物実験施設, 助教授 (40173893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田川 陽一 信州大学, 医学部・動物実験施設, 助手 (70262079)
高本 雅哉 信州大学, 医学部・寄生虫学, 講師 (90226928)
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Keywords | 好酸球 / 好酸球増多症 / 免疫異常 / ラット / ConA肝炎 / 寄生虫感染 / モデル動物 |
Research Abstract |
好酸球増多症を自然発症するMESラットの系統確立とその病態及び好酸球増多のメカニズムを検索する目的で、動物の系統維持、寄生虫を用いた感染実験および生理的条件下おいて好酸球増加因子であるIL-5の発現レベルをRT-PCR法により調べた。 1)系統化については、繁殖が順調に経過し現在12世代を維持繁殖しており、検査した全ての動物で好酸球増多症が確認されている。また、他系統ラットとの交配実験でも好酸球増多症が一部動物で発症することから遺伝性であることが分かった。 2)旋毛虫による感染実験では、筋肉内幼虫数が正常動物に比べてMESラットで有意に増加し、特異的Ig-E量および肥満細胞が減少し、このラットは従来の寄生虫感染と反応を異にすることが分かった。 3)IL-5発現については、脾臓および肝臓において生理的条件下ではコントロールのラットに比べてMESラットでIL-5の発現が2倍程度昂進していた。この結果は、IL-5の構成的な発現昂進が好酸球増多に関与している可能性を示唆する。一方、コンカナバリンAをラットの静脈内投与して免疫を活性化した場合は、コントロールとMESの両方のグループにおいてIL-5のレベルに差が認められず、IL-5の誘導システムに異常は認められなかった。 以上、今年度の研究から1)旋毛虫感染実験では、寄生虫の感染防御に好酸球以外の要因が機能している可能性、2)本症の発現にIL-5が関与する可能性が示唆された。また、MESラットは近交化が可能でその病態は遺伝性でありヒト好酸球増多症のモデルとして有用であると考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Matsumoto,K. et al.: "Hematological characteristics of ratsspontaneously developing eosinophilia."Exp.Anim.. 49. 211-215 (2000)
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[Publications] Sano,K.,Matsumoto,K.: "A rat model of hypereosinophilic syndrome"Pathol.Int.. 51. 82-88 (2001)
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[Publications] Sasaki,S.,Tagawa,Y.: "Interleukin-4 and interleukin-10 are involved in host resistance to Staphylococcus aureus infection through regulation of gamma interferon."Infect Immun. 68. 2424-2430 (2000)
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[Publications] Tagawa,Y. et al.: "Bimodal role of endogenous interleukin-6 in concanavalin A-induced hepatitis in mice."J Leukoc Biol. 67. 90-96. (2000)
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[Publications] Wang,Z.,Takamoto,M.: "Costimulatory signal through CD86 are important in the Th2 response in Trichinellaspiralis-infected mice."Parasite immunol.. 22(3). 121-130 (2000)
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[Publications] Hiratochi,M.,Takamoto,M.: "Inhibition of interleukin 5 production with no influence on IL-4 production by an anti-allergic drug, tranilast, in TC-infectedmice."Int.J.Immunopharmacol.. 22(6). 463-471 (2000)