2000 Fiscal Year Annual Research Report
サイバースペースと物理的空間を考慮した都市システムの経済学的分析
Project/Area Number |
12730033
|
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
渋澤 博幸 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (70291416)
|
Keywords | サイバースペース / 都市経済 / IT(情報技術) / バーチャル財 / バーチャル企業 / 情報・交通インフラ / シミュレーション / リサイクル |
Research Abstract |
サイバー空間、都市・地域経済学、情報・交通社会基盤、IT産業、及び社会・経済システムに関連する文献・資料を収集し、サイバー空間と物理的空間の特徴解析を行い、モデルの基本的フレームワークを構成した。伝統的な物理的空間に展開される都市経済モデルにサイバー空間を導入し、バーチャル財やバーチャル企業を描写できるモデルの特定化を行った。このモデルは一般均衡モデルに基づいており、物的企業と仮想企業の立地構造、都市住民の住宅立地、交通・情報社会基盤の空間構造、人、物、情報(バーチャル財)の都市内流動、都市住民の余暇・就業活動などが内生化され、情報財、物的財の価格、地代、賃金、輸送サービス料金、情報通信サービス料金などが導出される。情報化による様々な環境変化の影響を数量的に分析できる特徴を備えている。 この情報化都市の空間経済の一般均衡解を導出するための数値シミュレーション・アルゴリズムを開発し、数値シミュレーションによる感度分析により、サイバー空間と物理的空間とを対比しながら、単一都市内でのバーチャル企業と物的企業の立地構造、情報・交通社会基盤の空間分布等を解明した。 交通混雑現象など外部性を伴う都市経済モデルの構築を行い、外部性の内部化政策として空間的なピグー式税金・補助金システムの理論的検討を行った。 物理的空間における物的財とサイバー空間のバーチャル財との循環構造(リサイクルあるいはコピー)の特徴解析を行い、物理的空間の物的財の一般廃棄物に焦点をあてて、その循環構造を解明するモデルを開発した。一次元空間の枠組みのなかで、廃棄物収集の輸送費用、リサイクル施設の費用、最終処分場の費用、及び廃棄物から生じる外部不経済効果の社会的費用の経済的関係をモデル化し、最適リサイクル率を導出した。 近年の国内外における都市のIT(情報技術)化政策の事例、IT関連産業の集積傾向、サイバー空間の進展状況を整理し、理論的モデルとの比較を行った。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Shibusawa,H.: "Cyberspace and Physical Space in an Urban Economy"Papers in Regional Science. 79,3. 253-270 (2000)
-
[Publications] Shibusawa,H.: "Optimal Recycling and the Location of Waste Facilities"地域学研究. 30,1. 155-165 (2000)
-
[Publications] Shibusawa,H.: "An Economic Analysis of Outer Space-Location of Telecommunications Satellites"地域学研究. 30,3(印刷中). (2000)
-
[Publications] 渋澤博幸,氷鉋揚四郎: "海外における都市再開発政策に関する研究"日本地域学会年次大会学術論文集. 361-368 (2000)