2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12740042
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
宮澤 康行 山口大学, 理学部, 助手 (60263761)
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Keywords | 結び目 / 多項式不変量 / Homfly多項式 / Kauffman多項式 |
Research Abstract |
この研究の目的は,結び目の多項式不変量として広く知られているHomfly多項式とKauffman多項式を統合することが出来るか,すなわち,Homfly多項式とKauffman多項式を特殊化として含む結び目の多項式不変量が存在するかということを調査・研究することであった。そのため,国内外を問わず,結び目理論の研究者との研究打合せや,各地で開かれる研究集会等への積極的参加を行なうとともに,インターネットや幾何学関連図書等を通じて最新の情報の収集にあたり,研究に役立てた。 結果として,今年度の研究において,上記目的にある2つの多項式不変量を統合するスケインシステムを持つ結び目の多項式不変量が存在することを示すことが出来た。この研究成果については,平成12年12月に東京女子大学にて開催された研究集会「結び目のトポロジーIII」において報告済みである。また,現在,専門雑誌に発表すべく、論文を準備中である。今回得られた結び目の多項式不変量は,もっと一般に,結び目を含む特殊なグラフに対する多項式不変量として定義されている。補助金交付以前の研究で,結び目の多項式不変量を考える際,結び目のみに限らず,結び目をグラフのみ種とみなして,結び目を含むグラフに対して不変量を定義することが有効な手段であろうことがある程度予想されていた。本研究はその指針に基づき実施されたが,今回の結果は,幸運にも上記予想が正しかったということを示したものとなっている。これを受けて,同様の手法で新しい結び目の多項式不変量が構成出来ないかということがすぐに想像される。今後は,上述の内容について,調査・研究することが課題である。
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