2000 Fiscal Year Annual Research Report
可換*半群上の正・負定値関数の積分表示問題に関する研究
Project/Area Number |
12740083
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
榊原 暢久 茨城大学, 工学部, 講師 (30235139)
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Keywords | 完全 / モーメント / 正定値関数 / 積分表示 / 可換*半群 |
Research Abstract |
可換*半群上の正定値関数が,指標半群上のある種の測度で一意的に積分表示できるような(単位元を持つ)可換*半群を完全であるという.完全性の定義は単位元をもたない半群でも同様に定義できるが,ある種の分割可能性がないと,単位元をもつ可換*半群SとH=S-{0}の完全性は一致しない事が報告者によって知られていた.今回の研究助成を受けて,デンマークのT.M.Bisgaard博士との共同研究を行ったことにより,Sの完全性と同値になるようなHの概念(quasi-perfect)を決定することが出来た.単位元をもつ可換*半群Sの完全性と同様に定義したHの完全性はH+Hの部分で積分表示できるということを仮定したが,Sの完全性と同値になるためにはH+H+Hの部分で積分表示できることが本質的である.また,quasi-perfect性についての保存的性質について解析し,いくつかの系を証明した.更には,quasi-perfect性を(つまりはperfect性を)一般的に特徴づけるためには,恒等的な対合を持つ有理線形空間内のある種の半群のquasi-perfect性を特徴づければいいことも示した.これが成果の第一としてあげた共著論文の概要である. 第二の成果としては,実線形空間の中のconelike可換*半群が完全であることを示した.報告者は以前に,Qの可算無限個からなる直積半群の中のconelike*部分半群が完全になることを示したが,Bisgaard博士との共同研究によって,これを更に一般の設定で示すことに成功した.また,実位相線形空間の中の可換半群を考え,その上の正定値関数の連続性を解析した.これらの成果は,現在,Bisgaard博士との共著論文として執筆中である.
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Research Products
(1 results)