2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12740243
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
小芦 雅斗 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 助教授 (90322099)
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Keywords | 量子情報 / エンタングルメント / Controlled-NOTゲート / 一般化測定 |
Research Abstract |
未知の対象の性質を知るために,プローブを準備して対象と相互作用させ,戻ってきたプローブを測定するという手法において,一回の測定では十分な情報が得られない場合,プローブの準備,相互作用,測定を何度も繰り返すことによって,情報量(あるいは精度)が増えていく.この時,前段階までに得られた情報に応じて次段のプローブの準備ないし測定を最適化するようにすれば,情報の取得効率が良くなると考えられる.そこで,情報として古典情報を利用するか量子情報を利用するか,その情報を準備段階に用いるか測定段階に用いるか,異なるプローブ間にエンタングルメントを許すかどうかによって,測定手法を分類していくと,9種類のクラスに分類できることがわかる.最も簡単なケースとして,二つのユニタリ変換を見分けるという場合では,情報を次回の測定に利用すると,その情報が古典でも量子でも同じだけ取得効率が増加し,量子情報を次回の準備に利用すると,取得効率がさらに増加すること等が明らかになった. また,線形光学素子と,ベル状態の光子対を使って,二光子の間で確率的なControlled-NOTゲートを構成する方法を提案した.このゲートは,多光子のエンタングルした任意の量子状態を生成したり,任意の一般化測定を行ったりするうえでの基本的な要素となる. その他,多粒子のエンタングルメントの基本的な性質として,n個のキュビットが互いに同じようにエンタングルする場合のキュビット対間のエンタングルメントの大きさの最大値を明らかにした.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Koashi,V.Buzek,and N.Imoto: "Entangled Webs : Tight bound for symmetric sharing of entanglement"Physical Review A. Vol.62. 050302(R)(1-4) (2000)
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[Publications] M.Koashi,T.Yamamoto,and N.Imoto: "Probabilistic manipulation of entangled photons"Physical Review A. Vol.63. 030301(R)(1-4) (2001)