2000 Fiscal Year Annual Research Report
Domany-Kinzelモデルの臨界挙動及び可解性
Project/Area Number |
12740249
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
乾 徳夫 姫路工業大学, 工学部, 助手 (70275311)
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Keywords | Domany-Kinzel model / パーコレーション / 方向性のあるパーコレーション / 確率モデル / 級数展開 / ランダムウォーク / 臨界現象 / モンテカルロシミュレーション |
Research Abstract |
Domany-Kinzelモデルは非平衡相転移を示す確率型セルオートマトンである。その解析において得た知見を以下に示す。 (1)Domany-Kinzelモデルは粒子の生成・消滅を記述したモデルと見なすことができる。空間を1次元離散格子とし、その上で0と1をとるスピン変数を考える。時刻tにおける座標xでのスピン変数をσ(x,t)とする。そのスピンの遷移確率は時間には依らず、s=σ(x,t)+σ(x-1,t)のみで決まる。σ(x,t)が1となる確率はs=1の場合はp,s=2の場合はqである。pとqをパラメーターとした相図を考えると、熱力学極限で粒子が存在するか否かを決める臨界線が存在する。これまで、その臨界線はモンテカルロ法や繰り込み群の手法で推定されてきた。しかし、Domany-Kinzelモデルの特殊な場合である方向性のあるパーコレーション(DP)においては、現在最も信頼できる計算方法は級数展開法である。よって、Domany-Kinzelモデルの全領域おいてもその適用が期待されていたが、数学上の技術的な問題から実現されなかった。しかし、2000年に今野らによりその問題が解決され、初めてDomany-Kinzelモデルの臨界線を級数展開により決定することができた。 (2)Domany-Kinzelモデルの可解性を調べるには、等方的な場合に有効な共形場理論を異方性のある場合に拡張する必要がある。その一つの拡張法としてMartin Henkelが提案している理論があり、その数値的な検証をDPを対象にモンテカルロシミュレーションにより行なった。 (3)方向性のあるパーコレーション(DP)と相互作用するランダムウォークであるFriendly walkersとの新たな関連性を見出した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Norio.Inui and Makoto.Katori: "Fermi Partition Functions of Friendly Walkers and Pair Connectedness of Directed Percolation"Journal of the Physical Society of Japan. 70・1. 1-4 (2001)
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[Publications] Norio.Inui and Makoto.Katori: "Statistical Properties of Trajectories of Friendly Walkers on Spatio-Temporal Plane"Journal of the Physical Society of Japan. 70・1. 78-85 (2001)
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[Publications] N.Inui,M.Katori ad F.M.Bhatti: "Low-Density Sereis Expansion for the Domany-Kinzel Model"Journal of the Physical Society of Japan. 70・2. 359-366 (2001)