2000 Fiscal Year Annual Research Report
プレート内部における起震応力場の生成要因と地震断層の発達過程に関する研究
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12740260
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
久家 慶子 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50234414)
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Keywords | 断層 / 不連続 / 破壊伝播 |
Research Abstract |
1)花折断層断層不連続部分における地震観測 本年度、花折断層不連続部分近くで地震観測を実施。その結果、花折断層で起こった数個のM3から4の地震を直上で観測することに成功。現在、データの解析を行っている。 2)不連続な断層群を広がる地震のずれ伝播の数値実験からの調査 不連続な断層での破壊伝播の推定:波形インバージョン法で仮定する破壊フロント伝播の影響 地震の波形を用いて不連続な断層での破壊過程を決定する際、推定される破壊過程のようすは波形インバージョン法の中で仮定される破壊フロント伝播に依存することが、数値実験で明らかになった。誤った破壊フロント伝播を仮定すると、特に、次の断層に破壊が飛んだあとの破壊の伝播や震源時間関数に違いが現れる。一方で、インバージョンでの波形の復元度を破壊フロントの正否で比較しても、その差は小さい。 動的破壊過程パラメータの推定を用いた不連続な断層モデルの推定 不連続な断層での動的な破壊伝播は、断層の幾何配置に強く依存することがこれまでの3次元数値計算からわかっている。このことを逆に利用し、動的破壊パラメータを運動学的破壊パラメータから推定する際のすべり量や破壊時刻の残差を比較することにより、不連続な断層の詳細な幾何配置が決定できる可能性を新たに示した。ランダース地震や鹿児島県北西部地震を想定した、平行あるいは直角な2つの横ずれ断層の場合で、数値実験から、問題点などを含めた調査を行った。
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