2000 Fiscal Year Annual Research Report
白金-オスミウム,レニウム-オスミウム系を用いた海洋プレートの循環を追う試み
Project/Area Number |
12740304
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鈴木 勝彦 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70251329)
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Keywords | マントル / プルーム / 白金-オスミウム系 / レニウム-オスミウム系 / 海洋島玄武岩 / オスミウム同位体 / 負イオン表面電離型質量分析計 / 海洋プレート |
Research Abstract |
マントル内物質循環モデルにおいて現在最も大きな問題は,海洋プレートの沈み込み深度〓,それが地表にリサイクルする際のマントルプルームの発生深度である。現在,上部-下〓マントル境界,あるいは,マントルー核境界が提案されている。本研究は,レニウム-オスミウム(Re-Os),白金-オスミウム(Pt-Os)放射壊変系を用いて沈み込む海洋プレートの行き先とマントルプルームを通じた地表へのリサイクルを明確にとらえようとする試みである。それ〓は,オスミウム同位体比が有効である。海洋玄武岩の^<187>Os/^<188>Os比にchondrite隕石と比べて〓の変動があれば,その玄武岩は地殻物質を起源にしている,すなわち沈み込んだ海洋地殻〓リサイクルして生成された可能性が高い。一方,^<186>Os/^<188>Os比に正の変動があればその玄武〓は核-マントル境界を起源としていると考えられ,chondrite隕石の^<186>Os/^<188>Os比と同じであれ〓,おそらく上部-下部マントル境界を起源としていることが予想される。本研究の目的達成のためには分析法についてクリアしなければならない問題が存在する。特に重要な課題とし〓,(1)^<186>Os/^<188>Os比を,0.05%という超高精度で測定すること,及び,(2)極微量オスミウムを〓収率よく分離する方法を開発することが挙げられる。前者については,負イオン表面電離〓質量分析法によって,外部精度0.0012%という非常に高い繰り返し再現性を達成することに成功した。後者の課題については,Fire assay法と四塩化炭素抽出等を組み合わせることによ〓,数pptから数百pptというごく低濃度のオスミウムを分離することに成功した。現在標準岩〓についてその分析法を適用し,繰り返し精度を確認しているところである。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Suzuki,M.Feely and C.O'Reilly: "Disturbance of Re-Os chronometry in molybdenites from the late-Caledonian Galway Granite, Ireland, in post-depositional alteration."Geochemical Journal. 35. 29-35 (2001)
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[Publications] K.Suzuki,H.Kagi,M.Nara,B.Takano and Y.Nozaki: "Experimental alteration of molybdenite : Evaluation of the Re-Os system,infrared spectroscopic profile and polytype."Geochimica et Cosmochimica Acta. 64. 223-232 (2000)
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[Publications] D.Lentz and K.Suzuki: "A low-F, pegmatite-related Mo skarn from the southwestern Grenville Province, Ontario, Canada : phase equilibia and petrogenetic implications."Economic Geology. 95. 1319-1338 (2000)
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[Publications] R.G.Skirrow,P.M.Ashley,N.J.McNaughton,and K.Suzuki: "Time-space framework of Cu-Au(-Mo) and regional alteration systems in the Curnamona Province."AGSO Record 2000. 10. 83-86 (2000)