2000 Fiscal Year Annual Research Report
インパルス電圧の高電圧領域測定における高精度校正技術の開発に関する研究
Project/Area Number |
12750246
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
脇本 隆之 日本工業大学, 工学部, 講師 (40230932)
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Keywords | インパルス電圧測定 / 校正 |
Research Abstract |
本研究は2年計画であり、本年度はその初年度にあたる。本年度の研究目標は、(1)高速・高耐電圧スイッチング素子の調査研究、および(2)測定の不確かさの評価法の確立の2点であるが、以下にそれぞれの目標における研究実績について報告する。 1.「高速・高耐電圧スイッチング素子の調査研究」に対して得られた研究成果の概要は次のとおりである。 (1)高速・高耐電圧スイッチング特性測定法の確立として、国家標準とトレーサビリティを持つ測定法の開発とスイッチング特性が不確かさ解析に与える不確かさ要因の評価技術の開発を行った。その結果、わが国の計測標準単位(直流電圧1V等)に対するトレーサビリティの評価法を確立するとともに、緩やかな立ち上がりのスイッチング特性を持つ素子を用いても十分な精度であることが確認された。 (2)前項目の結果より、各素子の高速・高耐電圧スイッチング特性測定については、立ち上がりが高速でなくても精度が維持されることから、通常の測定法で十分であるといえる。 (3)このことから、1kV以下の電圧であれば、市販のFETを用いることにより高精度なインパルス校正器が実現可能であることがわかる。本研究ではさらに高い電圧階級を目指し、12kV耐圧のスイッチング素子を入手し、予備検討を行った。 2.「測定の不確かさの評価法の確立」に対する得られた研究成果の概要は次のとおりである。 (1)インパルス用ディジタル測定器を供試器とし、試作したインパルス校正器による不確かさの評価方法を検証した。 (2)校正器の不確かさ要因は温度要因ならびに電圧特性に大きく精度が依存するため、高温恒湿環境が不可欠であり、適切な使用電圧範囲を決定する必要がある。これらの条件が満足された場合、低電圧領域における校正器と同様な評価方法が適用可能である。
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