2000 Fiscal Year Annual Research Report
π電子共役系分子を用いたSPMプローブチューニングとその応用に関する研究
Project/Area Number |
12750275
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
高嶋 授 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (10226772)
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Keywords | π電子共役系 / SPMプローブ / PN接合ダイオード / 移動度 / 電解析出 / 酸化チタン / 導電性高分子 |
Research Abstract |
いくつかの素材のプローブ材に対し、曲率半径の極めて小さな先端部位に対する有機系材料の吸着能について評価検討を行った。STMチップについては、先端修飾による電導性の変化に伴うアプローチフェイルが、AFMについては、タッピングモードに対し材料吸着後に共振が効かない等の問題が発生した。一方、こうしたSPMプローブ先端修飾を用いた分子チャネル形成時に期待される高速な有機デバイス等への応用を鑑み、高いキャリアー移動度を有する高分子材料等について調査検討を行ったところ、立体規則構造を有するポリアルキルチオフェンが極めて高いキャリアー移動度を有することが判明した。また材料の凝集条件により、試料内部におけるキャリアー寿命の分布もまた変化することが判った。一方、電解析出酸化チタンとπ電子共役系高分子との間で、極めて良好なPN接合特性ダイオードを構築することに成功した。本デバイスはπ電子材料の電気伝導度によっては、ダイオードの理想因子が約1.5以下となり、シリコン系半導体でのダイオードと同様の性能を有する理想的なダイオード特性を示すことが判明した。酸化チタンは、光学的、熱的処理に伴う活性の発現により強い吸着性を示すことから、プローブ先端の前処理として酸化チタン材の電解析出法を利用することが一つの有望な手法と見なされる。特に酸化チタン材とπ電子系分子材料との組み合わせはフォトダイオードとしての性能を有しており、光学的キャリアー生成プロセスより検出される光電流の大きさがきわめて大きい。低い理想因子の値は、PN接合部位でのキャリアー再結合の割合が非常に低いことを意味することから、酸化チタン/π電子共役系材料によるSPM先端修飾により、いわゆるナノスケールのフォトダイオード、たとえばSNOMプローブ等の構築が考えられる。
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Research Products
(1 results)