2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12750412
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
南方 英明 千葉工業大学, 工学部, 講師 (90296319)
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Keywords | 二足歩行 / 省エネ歩行 / 擬似受動歩行 / 伸縮脚 |
Research Abstract |
遊脚軌道,および重心位置・姿勢が歩行持続性に与える影響について詳しく調査するために,新たに受動歩行システムを拡張した試作機を制作し,「擬似受動歩行システム」として提案した。このシステムは重力を利用して斜面をアクチュエータ無しで降りる受動歩行というアイデアを平面に拡張したものであり,小パワーのアクチュエータと重力を併用するものである。 脚機構,特に膝部分については回転関節タイプと伸縮タイプを比較検討し,エネルギー損失や実機での再現性などの観点から伸縮タイプを採用した。これにともない,脚伸縮によって歩行システムがどのような影響を受けるのかを整理し,定式化した。そして伸縮パターンについて計算機シミュレーションによる検討をおこない,伸縮量にある程度の最適値が存在することや,伸縮周波数は脚長によって決まる基本周波数やその奇数倍波が適していることを発見した。 試作機においては,伸縮機構がスムースでなかったり,関節部にがたつきがある場合,適切と思われる伸縮パターンを実現しても歩行は困難であった。このような場合には操作者が伸縮パターンを適宜調整することにより歩行が可能となったが,その調整則には明確な特徴が現れず,解析は困難であった。よって伸縮機構のスムース化やがたつきの低減などの改良を実験機に加えていった。この結果,操作者の調整を必要とせずに安定した歩行を実現することに成功した。また,伸縮量や伸縮周波数などの適正な値も計算機シミュレーションと同様の傾向を示した。加えてロボットの重心位置・姿勢による歩行持続性への影響も検証をおこなった。歩行速度や歩幅が重心の前のめりの度合に依存して大きくなる傾向を確認した。さらに,前のめりの度合(姿勢角)がより小さい場合は,歩行周期が何パターンかに分岐する兆候を示した。これは受動歩行システムに見られるカオス性との関連性が考えられる。
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