2000 Fiscal Year Annual Research Report
鋼製ラーメン構造物の地震時保有水平耐力照査法の開発に関する研究
Project/Area Number |
12750431
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
葛 漢彬 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90262873)
|
Keywords | 鋼製ラーメン橋脚 / 隅角部 / 繰り返し解析 / Pushover解析 / 破壊せん断ひずみ / 破壊基準 / 強度 / 変形能 |
Research Abstract |
本研究では,まず,せん断変形性能も考慮できる鋼製ラーメン構造物の設計法の開発に先立ち,鋼製ラーメンの隅角部および梁腹板におけるせん断挙動を明らかにすることによって,繰り返し載荷の影響も含めたせん断パネルの破壊基準の構築を目指して行っている.繰り返しせん断変形下の弾塑性挙動を明らかにするため,隅角部および梁腹板を板パネルにモデル化し,構造解析用汎用プログラムABAQUSを用い,弾塑性有限変位解析を行っている.板パネルの構成則には,名古屋大学で開発された修正二曲面モデルを用いている.無補剛板に関して,パネル幅厚比パラメータおよび載荷方法による影響について考察し,Shear panelの強度と変形能に対する諸パラメータの特性を示している. 次に,単柱式鋼製橋脚のみならず鋼製ラーメン橋脚も対象とした種々の構造形態を有する薄肉土木鋼構造物の保有耐力と塑性率の統一的評価法を提案している.手法は,過去に著者らによって提案されているコンクリートを部分的に充填した鋼製橋脚の地震時保有水平耐力照査法を準用したものであるが、異なる点は破壊ひずみの定義式のみである.ここでは,圧縮と曲げを受ける条件で,構造物から取り出した短柱を取り上げて弾塑性有限変位解析を行い,短柱の変形能(即ち,破壊ひずみ)を求めている.鋼構造物の保有性能(耐力と塑性率)は,Pushover解析より求めるが,終局点を定めるために短柱解析から求められた破壊ひずみを用いる.単柱式橋脚とラーメン橋脚の実験結果と提案推定法の比較により,本手法の妥当性が検証されている.
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 天野麻衣,渡辺智彦,宇佐美勉,葛漢彬: "繰り返しせん断力を受ける鋼板の強度と変形能"第3回鋼構造物の非線形数値解析と耐震設計への応用に関する論文集. 57-62 (2000)
-
[Publications] Y.Zheng,T.Usami and H.B.Ge: "Ductility of Thin-Walled Steel Box Stub-Columns"Journal of Structural Engineering,ASCE. 126(11). 1304-1311 (2000)
-
[Publications] Y.Zheng,T.Usami and H.B.Ge: "Ductility Evaluation Procedure for Thin-Walled Steel Structures"Journal of Structural Engineering.ASCE. 126(11). 1312-1319 (2000)