2000 Fiscal Year Annual Research Report
個人の限定合理性を考慮した一週間単位の交通行動及び活動意思決定のモデル分析
Project/Area Number |
12750477
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
倉内 慎也 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (90314038)
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Keywords | 交通行動分析 / activity-based approach / マイクロシミュレーション / 交通手段選択 / 意思決定方略 |
Research Abstract |
平成12年度は,まず,1週間単位の交通行動及び活動意思決定をモデル化するための事前分析として,1日における交通及び活動の双方を含む生活行動全般を記述するモデルシステムの構築を行なった.中京都市圏パーソントリップ調査データを用いて,活動内容選択モデル,目的地・交通手段選択モデル,活動継続時間決定モデルをサブモデルとして個々人の時空間軸上における生活行動の軌跡を再現する生活行動シミュレータ,及び生活行動シミュレータで生成された自動車トリップについて,交通渋滞等の外部性を考慮した上で道路ネットワーク上での交通流を再現する動的交通流シミュレータをそれぞれ構築し,双方を組み合わせたマイクロシミュレーションによる需要予測モデルシステムを構築した.その結果,選択の自由度が極めて高いがゆえに現況再現性は決して良好とは言えず,選択の自由度を低減するような制約条件のモデル化や活動スケジューリングを考慮する必要性等の課題が明らかになった. 一方で,1週間単位の交通行動及び活動意思決定をモデル化する上で極めて有効であると考えられる個人の限定合理性を考慮したモデリングに関して,交通手段選択問題を対象として,その適用可能性を検討した.構築したモデルは,所要時間や費用等の単一属性のみを考慮するというより簡略化された意思決定方略を明示的に扱ったものであり,潜在クラスモデルの枠組みで,意思決定者が採用する意思決定方略の異質性を考慮している.モデル推定の結果,約半数の人が単一属性のみに基づいて選択を行なっていることが示され,また,モデルの挙動分析では,既存の多項ロジットモデルと比較してより直観と整合的な結果が得られた.一方で,選択肢数や属性数が増加した場合,計算コストは急加速度的に増加するという問題点が生じ,1週間単位の交通行動及び活動意思決定分析に適用するためには大幅な簡略化が必要であることが明らかになった.
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Research Products
(1 results)